第10話 孤独な世界に差し込んだ光

幸奈、遠島、幸子。

この3人が俺を好いているらしいのだが.....。

因みに幸奈は俺に溜めて告白したらしいが.....。

俺は苦笑いを浮かべながら部活を終えてから帰宅しようとした。

すると.....遠島をライバル視して幸奈がやって来る。


「遠島。私はやっぱり貴方を認めてないよ」


「.....そうですね。満田先輩。私も認めてないですよ」


「落ち着けお前ら!」


どうしたら良いのだ、と思っていると。

幸奈が、でも今日は遠島に任せるよ、と俺を見た。

驚愕する俺と遠島。

でも負けた訳じゃないから、と言ってくる。

ここは譲り合いだよね、とも、だ。


「遠島が付き合っているんだから。だから.....私は今日は譲るから」


「.....満田先輩.....」


「.....幸奈。.....有難うな」


しかし幸奈は強く俺に迫って来た。

人差し指を差しながら、だ。

それから俺の胸に指を押し当てる。

そしてニヤッとする。

遠島も見ながら、である。


「でも私は負けないからね。そして遠島も覚悟して」


「.....満田先輩.....分かりました。.....覚悟します」


「だね。.....うん。.....じゃあ先帰るね」


それから.....先に帰った幸奈。

俺はそれを見送りながら.....遠島に、行くか、と向く。

遠島も俺に向いてくる。

はい、と、だ。

それから柔和な笑みを浮かべる。


「幸奈も成長したな.....」


「そうですね。.....私.....嬉しいです」


「.....だな」


そして俺達は帰る。

そうしていると.....遠島がピタッと止まった。

それから.....俺を見てくる。


私.....昔ですけどお兄ちゃんに守られていました。

でも今は1人になっちゃったんです。

そんな時に貴方に出会えた。

それが嬉しかったです、と、だ。


「.....一人暮らしだったよな。お前。.....そういう事情があったんだな」


「.....はい。.....でも交通事故で亡くなっちゃいました。.....そんな時に貴方が支えてくれたんです。.....先輩が」


「.....交通事故だったんだな。.....俺が支えになっていたのか?」


「.....はい。心から、です。一緒に居た時間は.....何よりも幸せです。親に虐められていたから大切にしたいものが出来たんです。初めて」


「.....辛いのによく話してくれたな。.....有難うな。遠島。.....でも何でそれを」


私、初めてですよ。こんな事を話したの。

それも先輩が初めてです。

と笑顔を俺に見せてくる遠島。

そうなのか、と思い俺は赤面する。

それから.....頬を掻いた。


「私は先輩が好きです。.....だから負けないです。絶対に」


「.....そうか」


「.....はい。私は満田先輩にも.....皆さんにも。絶対に負けないです」


「お前をなるだけ幸せに出来る様に頑張る。俺は.....うん」


「はい。.....私も頑張ります」


それから遠島は俺の手を握ってくる。

そうしてから満面の笑顔を浮かべてきた。

俺はその勢いに少しだけ赤面しながら.....。

困惑しながらも。

その手を握り返した。


「.....大好きです。先輩」


「有難うな。遠島」


「というか遠島じゃなくて.....恭子って呼んでくれたら嬉しいです」


「.....そ、そうか。じゃあ恭子」


「はい。.....よー先輩」


「.....よー先輩て!?」


え?駄目ですか?、と目を丸くしてキョトンとする恭子。

俺は、うえ?、と素っ頓狂な声を出す。

いや。まあ良いけど.....。

恥ずかしいなそれ.....、と思ってしまう。

だけど.....恭子がそう言いたいならもう良いや。


「.....私達は付き合っていますから。だから、です」


「.....オイオイ.....。でもまあ良いや。もう任せる。幸奈も、よーちゃん、って呼んでるしな.....うん」


「でしょう?アハハ」


「.....」


遠島はニコニコしながら俺の手を握る。

優しく、だ。

ロリの顔だけど.....でも様子は完璧に大人だ。

俺はその様子に溜息を吐きながらも。

握り返す。


「.....それから先輩。住所教えて下さい」


「.....何でだ?」


「負けたくないです。私は.....。だから朝から先輩の部屋に行きたいです」


「いやいや。流石にやり過ぎだろそれは」


「駄目です。私は負けたくないです」


「.....」


親父と母親が何と言うか。

そんな事をしたら、だ。

ま!、とか赤くなって言いそう。


勘弁して欲しいのだが.....でも。

このままでは満足しないだろうな。

俺は溜息を吐いてから期待の眼差しを向けてくる遠島に住所を教える。

それから俺は苦笑いを浮かべた。


「私、料理の練習しているんです」


「.....何の為にだ?」


「勿論。先輩のお弁当の為です」


「.....は?」


「.....だから.....恥ずかしいですね。先輩のお弁当です!」


お弁当、って何だ!

俺は真っ赤になりながら俺は恭子を見る。

恭子は赤面しながら俺を潤んだ目で見上げてくる。

だって私は先輩が好きですから、と。

可愛いな!?


「私だって大人です。だから先輩の為に.....何かしたいです」


「.....大人って。俺達はまだクソガキだよ」


「.....でも私は大人って思っています。だから私は.....うん」


「.....成程な。.....まあお前がそう言うなら止めないよ」


「はい。美味しいご飯を食べてもらいたいですから」


俺は赤くなりながら頬を掻く。

それから帰宅して行く。

明日.....来るそうだが.....。

と思っていると家に幸子が待っていた。

何やってんだコイツ、と思っていると幸子はこう言う。


「お兄ちゃんと今度の土曜日にデートしたい」


と、だ。

ってか、え?

俺はその言葉に真っ赤になりながら驚いていた.....。

何でだよ!!!!!

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