第4話「ランクアップと武装一新」
「さてと・・・ギルドから手配してくれた宿に着いたけど・・・良い場所だなぁ~高価そうなのに食事付きで
正式にギルドに登録された俺は見習いの"G"ランクからスタートとなった。
腰についてあるポーチを取り出して小分けにしておいた素材を取り出して鑑定してもらい、初日からGからDに上がった。
見習いのGランクとFランクは一定の薬草や木の実や手伝いのどれかを規定数までこなせば次の段階へとステップアップ出来るらしく、そっからEまで。
そこから上がって以降はギルドからの特例依頼と魔物指定討伐を既にクリアした時点でDまで上がったと言う事だ。
「うーん初日は目立ち過ぎたから次からは慎重に行動するか」
依頼を一瞬にしてクリアし、Dにまで上り詰めた後はいつも通りだ。
それにC以上にまで上がるには3回に分けて特別依頼とギルドから設ける試験を受ける事になるらしい。
「あっ、よっ!俺等を手伝ったお陰でDにまで上がったんだってな?」
「はしたないわよ、ライラック」
「リリさんから聞いたんだな」
食事をしに一旦部屋から出て一階に降りると二人のパーティーにまた再開した。
パーティー名はたしか・・・【
ウィノーが汚れた口元を
「私達と彼女は昔ながらの腐れ縁・・・幼馴染みってやつね。彼、私には普通に喋るのにリリにだけは緊張して敬語になるんだもの」
「んなっ・・・あっ、あれは仕方ないだろ?!」
二人はリリさんとは仲が良いらしい。
そうだ・・・
「例のあの魔物、急ぎ足で調べたんだよね?」
「んっ、そうだ。それの事で二人で話し合ってたんだった」
彼が言うには元からオーク系は特異種と通常種のボスクラスとは違っていつも通りに出てくるのだが・・・・特異種のボスクラスの場合はああいった草原にはあまり出て来ないのだ。
「って事はつまり・・・」
「誰かが裏で私達を狙ってたかもしれないの。いくら私達3人共々、幼馴染みとは言っても、リリの場合は王家が信頼する公爵家の御令嬢だから多少なりとも発言力はあるのよ」
彼女に恨みか憎しみを抱く人は幾つか居るらしく、その中でも一つの貴族が彼女に異常にしつこく迫るらしい。
「その貴族ってのが・・・・」
「リリと同じ公爵家のヘンズベルグ・ヘッダー公爵。結構デブなんだけど・・・リリとは19歳差もあるのよ?」
「証拠は見つけれないが、魔物を独断で仕入れる悪に染まった男か・・・刺客とかは?」
俺のその質問に二人は首を横に振る。
「俺等も思ったんだがな・・・流石にそういうのは見つからなかったな・・・」
「成程・・・よし、俺も二人と協力したい。何かあれば
「分かったわ。この話はリリや私達以外には内緒にね!」
彼等と同席で食事を終えた俺はそのまま二階の借りている部屋に戻り
「さてと・・・俺は一人でも魔物を討伐は出来るが・・・パーティーってのも良いかもな」
俺はそう言って顔を洗って歯を磨いてそのままベッドに入り、眠りについた。
「―――って事なんだが・・・パーティーを組めそうなメンバー揃えれるか?」
「そうですね・・・分かりました。私の方で手配しましょう」
次の日の翌朝、受付をしているリリに一時的だかパーティーを組みたいのでと言う事を伝えた。
彼女は直ぐに了承し募集を始めた。
その間に――――
「そう言えば前回複数の依頼達成の品を持ってきましたよね?
「ん?あぁ昨日のアレだよな?何かあったのか?」
俺がそう聞き返すと彼女は笑顔になり
「いいえ。品質も良好なので五大貴族の方々が依頼を出す前に私が依頼品をお見せしたらたんまりと報酬のお金を貰いましてね、多すぎていたので大半はギルドへの依頼料ともう半分がレンさんの報酬金額なので受け取って下さい」
「・・・昨日とはまた別のか、村からの討伐依頼に加えて最高品質の毛皮の買い取り依頼。流石だなぁ~凄い得した気分だ」
昨日襲ってきたあの魔物の事についても一応彼女に聞いてみた。
「私目当てで襲撃した可能性が?」
「あぁ。あの二人がその線で調べていてな。心当たりはあるか?例の公爵とか」
俺がそう聞くとリリさんは溜息を吐き
「その
「・・・って事は気付いて居たか」
「えぇ。ギルマスに調べて貰った所――――、彼は何者かによって殺されたらしくて」
聞けばその場にいた執事やメイドもその襲って来た人の威圧で一切動けず、自分の主であるヘンズベルグが殺されていたのだ。
しかもその日はリリと会って話をする予定だったらしい。
「一応国王陛下の御命令により私は暫く取り調べを担当してくれていた人に正直に話しました。」
「その事を二人には?」
「いいえ。二人は直ぐ別の依頼を受けに行ったので」
証拠もないまま殺されたとなると――――
「誰かと揉め事を起こす・・・ってのはなさそうだな、一方的な恨みによる犯行って事になる」
俺がそう言うとリリは少し考えて―――
「まさかとは思うんですけど・・・・もう一人心当たりのある人がいて」
「と言うと?」
「その人の名前は――――レーゼディル・ディグド公爵です。あちらの方には昔、御夫人が居たんですが・・・私と御夫人との仲が良かったせいで一方的な反感を」
俺は「成程・・・」と呟き
「その御夫人は?」
「ディグド公爵とは正式に離婚して今は別の国の都で修道院と孤児院の両方を経営の手伝いをしていると聞きますね」
うん、分かったかもしれない。
「―――え?御夫人が?!」
状況を整理すると―――揉め事を起し、ヘンズベルグ公爵を殺害したのは元だが・・・御夫人で間違いない。
そしてリリさんを襲った魔物を放つ指示をしたのが―――御夫人だと気付いた。
「――敬遠の仲・・・とはいかない関係だろうな。だからこそ公爵はあえて厳しくしたうえで君とその人を引き剥がそうとしたのかもしれない。そもそも、修道院・・・聖女が身を置くあの国に送られたって事はすでに自分の妻が犯罪を犯した事に気付いたから君に手を出す前に色々とやったって所かもね」
「そんな・・・アリアンさんが・・・そんな筈は・・・」
俺が犯人を突き止めた事で直ぐ行動を起こした方が良い事を伝えた。
「もし、この国の陛下と話す機会があればいつでも呼んでくれ。必ず対応をする」
「分かりました!その時はお願いします!」
話を終えた俺は早速パーティー募集の所へ行くと―――
誰も居なかった。
「・・・暫くあの二人と組む以外ソロで頑張るよ」
「・・・はい、分かりました」
流石にリリさんも苦笑いし、返事をする。
そして俺は次の依頼を受けて目的地へ行く前に準備をした。
「えーっと・・・先に防具だな・・・この格好じゃ流石にあれだし・・・そうだ、昨日の依頼でなめした皮を貰ったんだったな・・・アレ持って行くか」
そう俺は考えてひとまず先に防具と武器を買いに鍛冶屋へ行った。
鍛冶弟子アイン
「―――と言う訳でこう言う感じの防具を作ってみたいんです!親方!」
鍛冶親方カリト
「そうは言ってもなぁ~
「あの~その黒チョッキ・・・いや防具って作って貰えるんですか?」
鍛冶屋に来た俺はそうドワーフの二人に聞くと
「むっ、お客さんか例の素材を持ってくれれば問題は無いが・・・いかんせん過程が難しくてな、成功しようにも逆に失敗する事が多いんだ」
「それなら・・・・俺、作っても良いですか?ついでにその素材も持って来てるんで」
俺がそう言って二人に例の魔物の皮を数百枚程見せた。昨日は結構多めに討伐したのでその件で村人からお礼を言われたのだ。
「・・・あとは
「これですよね?」
俺は言われたしなを出した。
二人は驚き―――
「師匠!これぐらいの量であれば完成しますよきっと!」
髭を生やしたそのドワーフが少し考えて―――
「分かった!作り方を教えるからボウズ――――じゃ無かったえーっと」
「レンです」
「レン!まずは体を調べさせてくれ!」
そして一時間たって――――
「―――出来た・・・。出来ましたよ!」
「良い出来栄えだ!」
俺は作りながら俺の住んでいた故郷ではこれを着た探偵や仕事をしている職場のエリートが着る事がある事を説明した。
※この場では遠い異国の地と言う事にしている。
「成程、随分と遠い所まで来たんだな」
「そうなんですよねぇ・・・あっとそうだ!依頼書に完了のサインをお願いします」
遂に俺は夢にまで見た黒チョッキ、見た目が完全に東洋の探偵の人や刑事が着る様な黒皮のウエストコートを三着作る事に成功した。
無論、色んな魔法を付与してそれなりに出来上がった。
ついでにその黒チョッキに合うシャツも二着ほど作っておいた。
そして依頼を終えた俺はギルドに戻り
「―――って事で依頼達成です」
「おめでとうございます!鍛冶とは言え結構キツイでしょう?」
「そうでもない」と俺は言って
「ドワーフの親方や加護を受けた鍛冶師に教わりながらやってみたら上手く行けたんで。後、武器も新調したんですよ」
「これは―――あの時の杖とは違って立派な剣ですね」
俺はリリから渡した武器を返して貰い
「これは仕込み刀銃なんですよ。詳しい話は別の機会になるんで」
「分かりました。これが依頼達成の報酬です!受け取って下さいね」
依頼金を受け取った俺は早速―――
「って事で家を買いたいんだが・・・良い物件はあるかな?」
「そうですね・・・そうだ!」
彼女は俺に待つように言ってその場から立ってどこかへ行った。
数分経ち、年配の女性が来た
????
「ふむ、人は見かけによらないねぇ~・・・いいよ、この商業ギルドの代表である私が紹介しようじゃないか」
そう言ったその人は――――商業ギルドと言われる大手ギルドの総括者だと言う。
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