第2話

 月岡華は、陸上部に所属している。なんと、いじめっ子みきこと同じ部活。なんなら、部活からいじめが始まったようなもん。


部活行きたくねーなー。

だってさ、聞いてよ! 

部活でもずっといじめられっぱなし!

もううんざり。


靴を履こうとすると、ザラッ……

靴の中に大量の砂が入っていた。

最悪。

絶対あいつらやん!!


ご丁寧に大量の砂をみきこの靴の中に入れてあげた。溢さないように丁寧に。







次の日。

案の定、私のところにみきこが来た。

「あんたでしょ! 昨日私の靴の中に砂入れたの。ほんと最低」


「え? 偶然だね。私も昨日靴の中に砂入ってた! いまはやってるのかな? 靴に砂入れるの」


「そんなの、流行るわけねぇじゃん!」


と言って、みきこがうちに砂をぶちまけてきた。

痛っ。目に砂が入った。目から涙が出る。


「痛いんだけど!」


あれ、うち言葉を発した覚えないのに。あれ、つい出ちゃった?


その声の主は、私の後ろの子だった。

みきこが砂をうちにぶちまけたから、その子にも当たってしまったのだ。


そして、その子が泣いた。


「ごめんね」


みきこが必死で謝っている。ふん。ざまーみろ。砂なんて投げるからそうなるんだよ。ほんと頭悪いな。


この後、30分もその子が泣くから、ずっと謝り続けるみきこだった。

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