第14話 再会と再開

アインレスト―最奥の洞窟


テレーゼ:「まさか、あいつがあのスターズに仕えるサテライトだったなんて」


オルランド:「っ危ない」


テレーゼ:「ひゃ」


オルランド:「貴様、人の妻に不意打ちするなど、本当に国の旗印を胸に宿す兵士のすることか」


トルント・アックス:「はは、貴様ら逆賊に卑怯などと言われる筋合いないわ。安心しろ、パルティエナ様の手を煩わせなくとも貴様らはこのトルント・アックスの手で楽に殺してやるわ」


ガンっ


テレーゼ:「あ、あんた」


オルランド:「ぐ、やはり重い」


トルント・アックス:「ほう、やるなじじい。さすがは斧を毎日振るう木こりといったところか」


オルランド:「ぐぬぬぬぬぬ」


トルント・アックス:「だが、軽いわ」


オルランド:「ぐは」


テレーゼ:「あんた」


オルランド:「く」


トルント・アックス:「ははははどうした、先刻までの強さに陰が落ちているぞ」


オルランド:「ぐっ……おのれ」


テレーゼ:「あ、あんた」


テレーゼ:(ただでさえ年だっていうのに、炎の中からここまでずっと神の意図で私を守ってきたから、もうほとんど体力が)


トルント・アックス:「はははヒューマニアにこの炎は辛かろう。早く我が聖なる斧ブラッドアックスに浄化されるが良い」


オルランド:「テレーゼ、離れろ」


テレーゼ:「あんた」


トルント・アックス:「はは、死ね。逆賊」


トルント・アックス:(これで我の汚点も帳消し)


ガンッ


トルント・アックス:「ぬ、剣。だと」


アッシュ:「久しぶりだね。ブタのおじさん」


トルント・アックス:「き、貴様は」


テレーゼ:「あ、あ、あ。アッシュ」


オルランド:「バカモン、どうして来たんじゃ」


アッシュ:「……そんなの、見捨てられるわけないでしょ」


テレーゼ:「アッシュ」


アッシュ:「ふん」


グアン


トルント・アックス:「ぐはあ。お、おのれ。これは神の意図」


アッシュ:「君の相手は、僕だよ」


トルント・アックス:「あの時とり逃したガキか。ふ、ふふふ、ふあはははははははははははははははは」


トルント・アックス:(まさか残ったもう一人のターゲットがのこのこと向こうからやって来るとはな)


トルント・アックス:「おもしろい。このトルント・アックス。ベータ教司祭より賜ったこの聖なる武具ブラッドアックスで邪神に魅入られ穢れたその魂を浄化してやるわ。貴様らの命と引き換えにな」





アインレスト-最奥にある洞窟の近く


謎の男:「武、経験共にトルントの方が上手。だが、奴に光る物は何も感じらられない。それに引き替え何に置いても未熟、故に計り知れない伸びしろを持つヒューマニアの少年。はてさて神はどちらのもののふに勝利と言う恵みを与えるのか」


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