第8話 ボス戦‥‥?

第8話 ボス戦‥‥?


 汗とホコリを流し、再度装備を身に着けて温泉スペースを出て向かうのは、ドクロマークの付いたドアの前。そこで今一度装備を確認する。

 弓を使ってる暇はないと考え今回は外してアイテムバックの中に入れてあるし、懐には符術用の紙をたくさん、腰には双剣、そしてポーションは取り出しやすい位置に。初期装備ではあるが準備は万端だ。


「さて‥‥それじゃ、行くかな」


 軽く気合を入れて扉を開ける――が。


「‥‥なにも、いない‥‥?」


 時間差かと思ってしばらく待ってみてもなにも出てこない。仕方ないので暇つぶしに周囲を鑑定してみると周囲は採取場所と採掘場所でいっぱいだった。


「‥‥サービスタイム?」


 躊躇の欠片もなく余っているSPを2ポイント使って採掘スキルを取り、鼻歌交じりに採集と採掘を始める。

 その部屋の半分も取り尽くした頃、カイヤの背後‥‥部屋の中央付近でぼふんと言う音と共に、なにやら慌ただしい気配が湧き出した。取り敢えずその場の採掘を終わらせたカイヤが振り返ると、そこにいたのは普通よりも少し大柄なゴブリンが3体――大慌てで装備を着ていた。


≪モンスター名:ゴブリンソルジャー(BOSS)

 詳細:普通のゴブリンよりも多少強いゴブリン。インスタントダンジョンBOSSのため通常MOBよりは若干弱め。想定外の登場となって慌てている。≫


(だからそういう内輪ネタは隠してくれないかな!?)


 鑑定で敵性MOB情報を見た‥‥見てしまったカイヤが額を押さえて若干ぐったりしている間になんとか体裁を整えたらしいボスモンスターが威嚇してくるのだが、なにかその目には光るものが――


「‥‥やりにくいなぁ、もう‥‥」


 ぶつぶつぼやきながらもなんとか符を構え、こちらも戦闘準備を整える。


「符術:火」


 言の葉で符を燃やして敵に向かって投擲、双剣を構えて――脱力する。目の前では身体の一部に火が付いた3体が3体とも、わたわたと慌てて消そうとしておかしな踊りを披露していた。


「だから! やりにくいだろうが! 符術:雷!」


【レベルが上がりました】

【スキルレベルが上がりました】

【ドロップアイテムを拾得しました】


 再び投擲された符から数条の雷が落ち、あっけなく戦闘? は終わった。ボス? のいた部分にはドロップ品らしきもの――核と壊れた装備の一部が落ちており、対面には先程までなかった扉が出現している。カイヤは取り敢えずドロップ品を拾うと出現した扉に向かい――はせず、部屋内の採集と採掘を再開した。


「品質いいし、取れるのに取らないのはもったいない」


 誰が聞いてるわけでもないのに、何故か言い訳したくなってぽつりと呟く。本当に独り言がクセになりそうだと苦笑して最後の採掘を終了し、やっと扉を出るとそこには宝箱があった。


「罠の類は‥‥なし、と」


 罠がないことを確認して宝箱を開ける。そこに入っていたのは中級ポーションとMP回復ポーションだった。中身を取り出すと宝箱は消え、代わりに魔法陣が出てくる。


≪転送の魔法陣:ダンジョンから出るための魔法陣≫


「やっと出られる‥‥」


 呟いて魔法陣を起動させ、カイヤはダンジョンから脱出した――



∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽


◇ステータス◇


NAME:カイヤ

 種族:天狐族

 副種族:妖狐族

 職業:薬師

 サブ職業:陰陽師

 武器:双剣、弓


Lv.4

 HP 130(+10*レベルUP分)

 MP 240(+20*レベルUP分)

 STR 16(+2*レベルUP分)

 AGI 35(+5*レベルUP分)

 VIT 24(+3*レベルUP分)

 INT 35(+5*レベルUP分)

 MID 35(+5*レベルUP分)

 DEX 35(+5*レベルUP分)

 LUK 35(+5*レベルUP分)

 (所持SP15)(+2*レベルUP分)


 種族スキル:天術Lv.3 妖術Lv.3

 職業スキル:薬術Lv.1 符術Lv.3(UP)

 スキル:双剣術Lv.2 弓術Lv.2

     調合Lv.1 錬金術Lv.1 鑑定Lv.4(UP)

     採取Lv.4(UP) 索敵Lv.4(UP) 探索Lv.4(UP)

     鷹の目Lv.4(UP) 採掘Lv.2(New+UP)

     料理Lv.1 木工Lv.1


 称号:初級インスタントダンジョン制覇者

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る