鈍感系
ショートショートアップルパイとキングキュリアスリンゴパフェはあっという間に二人の胃の中に消えた。
もちろん自分のまるごと焼きリンゴプリンも美味しく頂いた。
今は二人が
「やっぱりミラさんって順くんのこと好きなんだー」
「って、本人が言ってた。」
「えっじゃあ両想いってことだよね!早く付き合っちゃえばいいのに」
「私はどっちでも良い。」
「えー
「私はやらない。」
「ぬー」
女三人寄れば
ちなみにミラさんとは我々と同じ第二小隊に所属する
寡黙で事務的なやりとりしかしない後輩だ。普段は何を考えているのか、はたまた理解できないことが多いが、狙撃の腕は1から4まである特装部隊の中でもトップクラスである。
まあ楽しそうだから良いか。
しかし、ここのモスコウミュールは特にうまい。
また来たくなる。
「隼斗君は、好きな人いないの? 」
うーん……飛び火したな。
正直そういうことには興味がない。面倒くさいと言うか。
「特にそういうのはないかなー」
「ふーん」
しずくは、なにやらもの言いたげな顔をする。
「そういうしずくは?」
実際想像つかないけど、いるんだろうか。
「……いない」
やっぱりね。そういうのに興味があるようには思えない。
まあ普通にかわいいけども。
「まあそういうのは、今は別にって感じだよな。やっぱり平和が一番だ」
モスコウミュールの二杯目をちびりちびりと呑む。
うまい。
「え?しずくさんはおn
「玲那ちゃん!!!」
うわっ、いきなり大声を出すなっt
「ゲホッゲホッゲホッ」
「だ、大丈夫!?」
キツい。死ぬ。み、みずー……
「これ! 水じゃないけど!」
しずくが差し出したグラスを呷る。
口の中が甘酸っぱい味に満たされていく。美味しい。
「……ふー。死ぬかと思った……」
「ごめん…」
しずくの顔が
なんの話をしてたんだっけ。
「ていうかこれ美味いな」
ふと手に持ったグラスを眺める。
後味もスッキリしていて美味しい。
流石なーがさん。
チェリーシロップがベースだが添えてある柑橘系が主張しすぎることなく、サイダーで爽やかに割ってある。
「あ、あの…隼斗君、それ……」
「ん? あーごめん。おいしかったよ。」
グラスを返す。
「……」
グラスを受け取ったまま固まるしずく。
何か気に食わなかったのだろうか。
「しずくさん。お兄ちゃんはグラスから飲んだんだから気にしなくていいでしょ。」
「いや……そういうじゃなくて……」
ん?なんかぼそぼそと二人で話している。
「それに間接キスとか気にしなくてもなくていいと思うよ。」
「うぅ……」
?。?。
何を話しているのだろう
「なんか不公平だと思う!」
「おわっ」
突然俺のグラスを奪い取って一気に
なんだ、欲しかったらそう言えばいいのに。
いや待てよ。
しずくってお酒弱かったような……
「…ー?あー?うー?にゃー!」
あらら。猫になってしまった。かわいいな。
「ちょっ、しずくさんやm」
そのまましずくは玲那に襲いかかってしまった。
なんだ百合か。
しかし結局何だったんだろうか。
「あっ、ちょっしずくさん!」
酔っ払ったしずくは玲那をかわいがっていた。
@@@
「そろそろ帰るか」
もう2000を回っている。流石に任務後だし疲れた。
「はい。しずくさんどうします?」
玲那をかわいがって満足したしずくはそのまま寝てしまった。
「どうもこうも連れて帰るしかないだろう。加速度軽減使っていいかな」
原則として、基地の外では能力の使用は控えるように、とされている。
能力を使用した場合、補助デバイスに記録が残る為、一応何かあった際に説明が求められる。
ただ、自分と玲那やごく少数の者はデバイス無しでの能力行使が可能な為、あくまで便宜的なものではあるが。
「いいとは思うけどしずくさんには言っちゃ駄目だよ?」
「あいよ。」
しずくをお姫様抱っこして両肘を起点しずくの体の加速度を-9m/s2する。
「ふわふわぁー! えへへへー……」
相変わらず酒に弱すぎる。今頃空でも飛んでいるんだろう。
「帰るか」
「はい!」
しずくを抱えて店を出る。
「「ごちそうさまー」」
『ありがとうございましたー』
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定期更新って本当に大変ですね。
あとお酒でべろんべろんに酔ってる子も可愛いですよね。
あと、百合も好きです。
次号からは新章の予定です。
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