他人妹
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玲那は実の妹ではない。
なんなら義妹ですらない。
5年前に起きた世界大戦のきっかけとなった大規模テロの際に
一緒に巻き込まれた赤の他人だ。
だが、身寄りがなくなった俺達は、生き延びる為に必死に闘った。
その中で俺は裏社会に足を踏み入れ、結果としてこの組織「DAAT」に所属している。
幸いにも、二人とも量子適性があったおかげで正規隊員となり、生活は保証された。
今の生活に不満はないが、いわゆる「ふつう」の人間として表の社会で生きていくことはできなくなったわけだ。
それが良いか悪いかは別としても。
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現在、表の世界──地球上は、第四次欧州連合間紛争終結後の西暦2204年、
それまであった地球上のすべての各政府機関が統合・合併し、
ニューワシントンに首都を置く
その後約10年間、全世界であらゆる戦争はおろか、
紛争、闘争、争いに至るまで、何一つ発生していない。
あまりにも平和すぎるのだ、不自然な程に。
人間が争いをやめられない生き物だというのは、
全人口の実に3分の1を失った第三次世界大戦後の敗戦国の
結局4回にも及ぶ欧州連合間戦争が
ではなぜか。
DAATはこれまでの調査の結果、地球全土にごく薄い量子精神干渉場を展開されている。
と結論付けている。
しかし、あまりにも地域による干渉場の濃度差が無いため、発生源を突き止めることはできていない。
「お兄ちゃん、もう本部着くよ?……別にもう気にしてないから大丈夫だよ」
急にだんまりしたのを怒ったと勘違いしたらしい。まあかわいいのでいいや。
「そうか。……報告が終わったら、何か食べに行くか?」
玲那の顔が視覚エフェクトが出そうな笑顔に変わる。もしかしたら本当に量子光が
まあかわいいから問題ない。
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妹って可愛いですよね。
はい。自分は大好きです。
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