エレベーター
水泡歌
第1話 エレベーター
ピーンポーン
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどちらまでのご利用でしょうか?」
「……はい、かしこまりました。寿命がない国でございますね。ドアが閉まります。お気をつけくださいませ」
チーン
「お待たせいたしました。寿命がない国でございます。本日はご利用ありがとうございました。いってらっしゃいませ」
ピーンポーン
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどちらまでのご利用でしょうか?」
「……はい、かしこまりました。働かなくていい国でございますね。ドアが閉まります。お気をつけくださいませ」
チーン
「お待たせいたしました。働かなくていい国でございます。本日はご利用ありがとうございました。いってらっしゃいませ」
ピーンポーン
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどちらまでのご利用でしょうか?」
「……はい、かしこまりました。競争のない国でございますね。ドアが閉まります。お気をつけくださいませ」
チーン
「お待たせいたしました。競争のない国でございます。本日はご利用ありがとうございました。いってらっしゃいませ」
ピーンポーン
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどちらまでのご利用でしょうか?」
「……はい、かしこまりました。天国でございますね。ドアが閉まります。お気をつけくださいませ」
チーン
「お待たせいたしました。天国でございます。本日はご利用ありがとうございました。いってらっしゃいませ」
ピーンポーン
「いらっしゃいませ、お客様。本日はどちらまでのご利用でしょうか?」
エレベーター 水泡歌 @suihouka
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます