第4話 卒業式

あれからなにもないまま卒業式の当日がきた。


なぜ、自分が12年前に戻ってきたのか?。

ここまま未来に帰ったら自分は死んでいるのだろうか?。

そんなことを考えて1ヶ月以上過ごしてきたが、なにもわからない、、、




何もなく卒業式がおわった。


前の人生では、おれは一人ですぐに帰ったが、

帰らずに校舎の廊下から外〔正門〕の方を見渡したら、

友達や下級生と泣いたり、雑談したり第2ボタンを渡したりしている人もいた。

南くんたちも泣いていたのが見えた。

ほんとなら、おれもあのなかにいたのだろうか?

いっしょに泣いていたのだろうか?

そんなことを考え視線をそらすと、藤崎が泣いているのも見えた。

(おれって藤崎に告白できてなくね?)と、ふっと思ったが、結局のところフラれるのは目に見えている。


けど、それでも、藤崎にこの思いを伝えたい!

高校生になってからも藤崎のことが好きだった。


おれの勘違いや気持ち悪いかもしれないが、

藤崎は女子高に通うのだが、高校生になってから、偶然出会ったときに笑顔で手を振ってくれる、藤崎がかわいくて仕方がなかった、、、

それが告白で変わるのはわからないが、

もし、変わるとするならこの想いは伝えておきたい。


おれは全力で廊下を走り抜け、上履きのまま藤崎のところへと向かった。



「藤崎!おれは藤崎のことが好きだー!小1の頃からずっと好きだ。だから、おれの第二ボタンを受け取ってくれ!これからも好きだ。」おれは喉が張り裂けるぐらい大声をだし、お辞儀をする体制で第二ボタンを差し出した。


「…」


さっきまで、いろんな人の喋り声が飛び交っていたのに今は自分の心臓の音がうるさすぎて周りの声が聞こえない。


「…」


藤崎からの返事がない。

おれはそっと顔を上げ、藤崎を見た。

すると、アニメでしか見たことないぐらい、藤崎の顔は真っ赤になっており、恥ずかしさと驚きとが入り交じったような顔をしていた。


周りを見なくても、視線、関心、言葉が、おれと藤崎に向けられているのがわかる。

おれもだんだん恥ずかしくなってきて、走って逃げようかと思っていたとき、


「付き合ってとはいってくれないの?」と藤崎。

藤崎の言葉の意味がわからず、おれは咄嗟に

「付き合ってくれ。」と言うが、声が震えてカタコトになっているのがわかる。


「うん、いいよ。」と藤崎は真っ赤になった顔で微笑みながら言った。

おれは唖然となった。言葉がでなかった。

おれはフラれるはずなのに、なぜ?

また心臓の音がうるさくなって、膝がガクガ震えだした。

(やばい、倒れそう。)

「また後で、連絡するね」と藤崎は言い友達といっしょに帰っていく。



心臓の音が落ち着いてきたときに上履きのままだったことを思い出し校舎へと入ると、南くんたちグループが笑いながら、

「やるじゃん。」「スゲーな。」「よかったやん。」と声をかけてきた。

「当たり前!」とおれも一言。

謝る訳でもなく、

たぶん、これが俺たちなりの仲直りなのだろう。



そこから、みんなで好きな人に告白するという流れになり、作戦会議と言い、地元のファミレスに向った。

おれは峯くんも連れていったら、これまた謝る訳でもなく仲良くなっていた。

たぶん、おれたちはこれでよかったのだと思う。


謝ってほしいわけでも、謝らせたいわけでもなく、

バカやって、衝突して、気づいたら仲直りして、

いっしょに笑って、いっしょに泣いて、いっしょに怒って

その繰り返しが友達なんだとおれは思う。



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もし、人生をやり直せるとしたら? メロン @hrk007

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