第67話 大人の翌朝

翌朝

目が覚める

普段使わない筋肉を使ったせいか股関節が痛い

身体も少しだるい

けど心は凄く充実していた

好きな人と結ばれるという感動

俺はなんて幸せなのだろうか


横に目をやる

寝顔も可愛い

というより前より可愛く感じる

自然と頭に手が伸びる


しばらく頭を撫でているとクレアが目を覚ます


「ん〜」


「起こしちゃった?」


「おはよ〜、そんな事ないよ」


「そっか」


可愛い

ヤバい

…ヤバい


気持ちが抑えられない

そっと頬にキスをする


「なっ!!あっ、朝からハレンチよ!!」


「昨日はもっと凄いことしたろ?」


クレアがどんどん赤くなる

ほんとに可愛い見てて飽きない


「ルーカスが激しいから股が痛いわ」


赤面しながらツーンとそっぽを向くクレア


「俺だって股関節痛いんだよ。それに昨日殴られたお腹が痛いなぁー?」


ちょっと意地悪を言うとしょんぼりする


「そっ、それは…ごめんなさい」


「嘘だよ、大丈夫」


今度は唇にキスをする


クレアは一瞬驚いた表情をしたが目を閉じて俺を抱き締める


口を離すと少し残念そうな顔をする

男心をくすぐる天才だな


「これ以上やると俺の理性が崩壊しちゃうよ。また夜に、な?」


照れながらも笑顔になるクレア

ほんとに素敵な女性だ

この笑顔を守らないといけない

改めてそう意識させられる



ほんとはこのままクレアと2人過ごしたいがそうも言ってられない

人類大陸の軍勢がいつ攻めてくるか分からない状況だ

かと言って俺とクレアだけじゃ太刀打ち出来ない

どうする?


しばらく考えた俺の頭にある人物が浮かんでくる

イケメンは嫌いだがそんなことも言ってられない

昔もらった名刺を探して電話をかける


「……もしもし、カイトです」


「ルーカスって言って分かるか?」


「もちろん覚えているよ!師匠の元に来ると決めたのかな?でも君も知ってると思うけどこんな状況でね、僕も忙しいんだよ」


「力を貸してくれ」


「話を聞こう」


取り敢えず会って話す事になった


待ち合わせ場所に来たカイトは身長は180くらいまで伸びていて昔よりイケメン度が上がっていた

あの頃も相当強かったが今は別格

魔力はあの頃から増えてないどころか少し減ってる

少しの違和感もなく魔力を抑えているのだろう、それだけで相当な実力だと言うことが分かる

それに歩き方というか佇まいが精錬されている

ほんとに師匠より強いかもしれない


「なるほど、状況は理解した」


現状置かれている状況とそれに対抗する為に力を貸してほしい事を伝えた


「じゃあ…」


「だが君が魔人に協力する理由が分からない。戦ってる最中に後ろから撃たれるのはごめんだよ、それに君の実力ではそもそも足でまといになるのでは?」


「そんなっ!!ルーカスは!!」


「クレア、よせ。あんたの言いたい事は分かる、口で言ってもしょうがない」


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