第68話 VSカイト part2

[身体強化フルバースト]を発動し構えをとる


「前の時負けた技じゃないか、進歩がないね」


カイトは立ったままだ

いつでもかかってこいと言うことか


右のパンチを放つ

カイトは1歩下がり受け流す


あっ

サボ先生の動きを見た時に感じた既視感の正体がようやく分かった


というか何故今迄気付かなかったのだろうか

カイトの名刺には魔闘術と書いてあったのに


魔闘術に関しても上

魔力に関しても上

全くもって勝てる要素がない

さてどうするか


といってもやれることなんて限られてる

そもそも出し惜しみして勝てるなんて思ってもなかったけど


[身体強化フルバースト]を解く

目を瞑って集中

まず[解放]を30%まで発動

その状態で身体強化をさらに深く

筋繊維まで深く


そして俺の身体を包む魔力は赤色から紫へと変わっていく

[解放]発動時にのみ使える身体強化

名付けて[身体強化・壊]


カイトは俺を見て笑った

気がする

一瞬笑ってそれを隠すように口を隠した

なんだあいつは


「初めて見たよそれ、ヤバいね」


最初と同じモーションでパンチを放つ

だが今度は受け流しが間に合わず

両親をクロスさせて防御する


「速いし、重い。やるねぇ」


完全に笑ってる

隠すのをやめてニヤニヤしてやがる


「今の初見でガードする方がやべぇよ。このバトルジャンキーめ」


実際そうだこの[身体強化・壊]は[身体強化フルバースト]と[解放]の併用から出来たもので強化する部分を肉体から筋繊維まで深くすることで爆発的な身体能力の向上を可能にしている

その代わり最低限[解放]を30%していないと身体が耐えきれなくなり筋繊維が破壊される

リスクを乗り越えて使う技だけに[身体強化フルバースト]の5倍身体能力は向上する


そこまでやってようやく防御させるレベルということだ

正直アホらしくやってられない


「今度は僕の番だね」


変わらずニヤケ面のまま攻撃を仕掛けてくる

辛うじて防御と受け流しで対応出来ているが

一撃一撃が重たい

こちとら最大強化なのにまともに防御すると腕が吹き飛びそうになる


反撃をしようにも手数が多くて出来ない


だが前回分からなかった事が分かった

奴は[身体強化]を使っていないのではなく

恐ろしく効率的に使っているということ


視覚的に気付かないレベルまで抑えて使っている為、前回は使ってないと思ってしまった


逆に言うとまだ本気ではないと言う事

そんなのは関係ない


中腰になり右手を前に突き出す

放つ瞬間のみ[解放]を70%まで発動

くらえ!


[魔力波・蒼]


この技は右手から青色の魔力波を放つ広域攻撃魔法

ほぼビームなので別名魔力ビームだ

ビームはカイトに直撃する


「魔闘術が使えるなら使えるか」


カイトは赤い魔力を纏っていて無傷だった

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