第48話 学年別最強決定戦①

学年別最強決定戦は初日に1年、二日目に2年、三日目に三年と行われる

ただしそれぞれ準決勝まで行われ、決勝戦は四日目に1・2・3年まとめて行われる

場所は騎士学園内にある闘技場で観客席もある

かなり大きめなのだが観客席よりも闘技場が大きい造りになっていてタルルトドームとはまた違った感じだ

でも観客向けの出店などが多くまるで祭りのようだ

いつの間にか僕の人生はこんな華やかな世界で戦いテレビにも映るような人生になっていたらしい

昔の僕に伝えてあげたい、今耐えたらこんなにいいことがあるんだぞって

大切な人たちに出会えるんだぞって


そして迎えた大会初日

コンディションは普通、特に緊張もしてない

第1試合は8試合同時に行われる

キルシは前半でユウシは後半の組、僕も前半の組だ

8試合同時進行という事は他の選手の戦いを見ることは難しい

とはいえそれは相手次第なところもある

僕の対戦相手のヤンとは一体どんな人物なのだろう


第1試合前半に参加する生徒が全員それぞれの闘技場に着くとアナウンスが流れる


「それでは第1試合前半始めてください」


僕の対戦相手は身長160後半で金髪にサングラスを頭にかけていて、なんかやたらと睨んでくる?というかガン飛ばしてくるんだけど、怖い


「な、なんですか?」


「おめぇ、つえぇのか?」


「どうなんでしょうね?」


「おらぁよぉ、おめぇボコすよう言われてんだわ」


「!?」


今なんて言ったこいつ?俺をボコすよう言われただと?

なんで僕みたいな善良な学生をボコそうとするんだよ!!

いきなりの事でかなり驚いたがすぐさま切り替える


「どういうことですか?」


「あ?いやこれは言ったらだめなやつだったか?まあいい、取り敢えずお前をボコすからせいぜい抵抗がんばれや」


なんだこいつは?かなりアホっぽい感じがする

今のは口止めされていたのに言ってしまったって感じだった

たしかこいつは生徒会の推薦枠だったから十中八九生徒会の差し金

しかも想像する限りこんな事をしそうなのは、あの生徒会長くらいだろう

睨まれたりして嫌われていたのは知っていたけど、こんな素行の悪い生徒にボコすのを依頼するほど嫌われていたのか?なんでなんだよ


それより大事なのはこいつが生徒会長に依頼されるほど強いってことだ

僕は来年の学園交流会に参加する為に最低でも一勝はしないといけない

まさか初戦から魔力を使うような状況になるとは思わなかった


色々と考えていたらヤンが突っ込んできた

棍棒みたいな形状の武器を振り下ろしてくる

うん、動きも遅いし魔力を使っている感じもしない

こいつ本当に生徒会長の刺客なのか?

せっかくなので魔闘術の実験台にしよう

振り下ろしてくる棍棒を擦れ擦れで回避して棍棒を叩き下への力を加える

凄い勢いで棍棒は地面に突き刺さり

それを予想だにもしてなかったヤンは一回転して転がる

今回の大会の勝利条件は相手を気絶させるか場外へ落とす、もしくは降参させるのいずれかだ

あまりにもあっけないが地面に転がるヤンを蹴飛ばして場外へ落として僕は一回戦を勝ち抜いた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る