第47話 夏の始まり
8月になった
学科方は騎士道概論以外単位獲得の目処は経った実技系も別段落とすような物もないし至って順調
魔闘術も結構為になっているし、サボ先生とキルシには内緒だが解放も50%まで使えるようになった
9月は丸々1ヶ月夏休み
その前にこの学園最大の催しがある
8月最後に開かれる学年別最強決定戦
簡単にいうと来年の生徒会役員決めだ
流石に全員参加という訳にはいかないので入試の上位20名+教師の推薦枠6名+生徒会の推薦枠6名の計32名によるトーナメント戦が行われる
2年と3年に関しては入試はないので、前年度の出場者の内ベスト16に残った者と教師枠8名+生徒会枠8名の32名になる
つまり1回でも勝てば来年の出場枠が確保できるという事だ
3年には来年の役員など関係ないように思うが、この大会はテレビ中継される為上位に入れば入るほど就職が有利になる
さらに3年の優勝者は人類大陸最強の騎士団である人類防衛軍への即入団が約束される
学園の人間や騎士団関係者だけでなく人類大陸全体が注目する大会なので、初戦で負けたとしても企業の目に留まるとスカウトされることがあるらしい
もちろん僕も出場する
だが今回はテレビ中継されると言うこともあって魔力をなるべく使わずに戦わないといけない
もしもあいつが僕に気付いて対策でもされると困るからね
トーナメントは既に発表されていて順当にいけば準決でキルシと当たり決勝でユウシと当たる
とはいえ上ばかり見ていてはいけない初戦の相手は生徒会枠で推薦された生徒だ、名前は聞いたことがないし授業で被ったこともない…と思う
でも生徒会に推薦されるくらいだから強いはずだ
*side 生徒会長
先日の事は今思い出しても腹立たしい
あの冴えない男があろうことかこの私の誘いを断り
まるで興味がないような態度をとるなんて
絶対にあってはいけないことなのよ
どうにかしてあの男に一泡吹かせようと、一緒にいたキルシを生徒会に取り込んだけど結局大した情報は得られなかった
名前は分かった、ルーカスというらしい
見かけによらず入試では20位以内に入っていたらしく、今度の学年別最強決定戦にも出場するみたい
強そうにも見えなかったしどうせ筆記でギリギリ20位に入ったってところでしょうね
生徒会枠があるし下位の生徒なら初戦の相手くらいは操作できる
ユウシと戦わせてもいいのだけれど
一瞬で終わるでしょうしそれだと面白くないわ
テレビ中継もあるしあまり出場させたくはないけれど、彼を生徒会枠としてあの男の初戦相手にしましょう
これもあの男に屈辱を与える為だから仕方ない
せいぜいボコボコにされて無様な姿を晒すがいいわ
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