第46話 学年首席
あれからキルシは本当に生徒会に入ったらしい
慣れない作業が多いせいか毎日忙しそう
あの生徒会長にこき使われているのだろう
今日は剣術の授業だ
必須科目ではないが武器術として剣術、斧術、棒術、槍術、弓術、盾術の何れかの単位は取らないといけない
武器術は師匠に粗方教わっているから何でも良かったのだが1番好きな剣術を選んだ
といっても所詮授業のレベルで師匠に教わった事に到底及ばずやる気もでない
今日も適当に流して終わろうと思っていたのだが話が変わった
一見すると小柄で女の子に見える
先日出会った僕らの学年首席ユウシがいた
いたというか前からいたのだが僕が存在を知らなかった
しかも幸運なことに今日の授業は模擬戦
剣術とは言え学年首席の力の一端を見ることが出来る、楽しみだ
木刀を使い1体1で戦うのを2組同時に行う
身体への直接攻撃はなしの5分マッチ
他の生徒は正直言ってチャンバラレベル
まともな剣筋のやつはいない
強いと言われてる奴らもスピードだけで戦ってるやつやパワーでゴリ押ししてるだけのやつなど大抵身体能力頼り
僕の番も来たけどこのチャンバラがそこまで成績に影響するわけではないし適当に打ち合って適当に負けておいた
いよいよユウシの出番だ
相手の生徒は身長も高くガタイもいい
それなりに強そうで構えは普通
対するユウシも構えは普通
「はじめっ!」
先生の掛け声と同時にとてつもない圧力がかかった
まてまてまておかしいだろ
圧力の正体はユウシから発せられる魔力
ユウシの魔力量はクレアの半分くらいだったはず
それでも人間にしてはかなり多いが首席だからそんなもんかと思っていた
だが今目の前にいる奴はなんだ?
キルシの2倍?いや3倍か?とてつもない魔力量になってる
しかもキルシと同じように[身体強化(仮)]を使ってるはずなのに所々黄色っぽい魔力が混じってる
しかも圧力は50%解放したサボ先生より上
ユウシは一息ついて魔力を抑える
相手は魔力の心得がないのか何も気付いておらずユウシに斬り掛かる
ユウシはそれに下から斬り上げ対応する
ただそれだけなのに相手は吹き飛ばされた
幸い外傷はないが木刀にはヒビが入っていた
あれは正真正銘の化け物
ふと師匠に教わった事を思い出す
「人間で魔力門が開いてる奴には大体2種類いる。幼い頃なにか衝撃が加わって突発的に魔力門が開いた奴、魔力量があまりにも多すぎて魔力門の許容量を越えてしまった奴。後者は魔人よりも魔力量が多い奴もいる」
ユウシは完全に後者だろう
キルシも多分そうだ
魔力量が許容量を越えるまでに時間がかかったから人類学園の時には魔力が低いと判断されたのだろう
そんな化け物が他にもいるかもしれないと考えたら僕はゾッとした
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