第45話 部活動④

「はいはーい」


ユウシと呼ばれた小柄な男子生徒がどこかへ駆けていく

その様子をじっと見つめるキルシ


「キルシどうかした?もしかしてあの子が好きなの?」


「何言ってんだバカがっ!!」


拳骨を落とされた、超痛い

ちょっとした冗談なのにそんな怒らなくても


「で、どうかしたの?」


「あれが俺らの学年首席だよ。どうせお前の事だ入学式で見てなかったんだろ」


「さっすがよく分かってる」


にしてもあの小柄な子が首席だと?

強そうには見えないのに


「ふっ、強そうに見えないって顔だな。だが正真正銘1年の首席で生徒会風紀担当だ」


ワゴン先輩が補足してくる


その後は特にする事もなく椅子に座って数分待っていたら2人がやって来た


「呼び出しながら待たせてしまったわね」


生徒会長だ、昨日と変わらずめちゃくちゃ美人

直視すると照れてしまいそうだ


「これ以上待たせるのもあれだし、要件を伝えるわ。貴方たち生徒会に入る気はない?」


「えっ、やだ」


「「「えっ」」」


僕が即答すると生徒会の3人がいっせいに驚いて僕の方を見る

キルシは慌てて小声で耳打ちする


「生徒会に入るって事はこの学園の頂点達と共に活動できるって事だぞ分かってんのか」


「この学園の頂点とか興味無いし、メリットある?」


「あらゆる行事で有利に運べるし、就職する時にもかなり評価があがるぞ。それにあの美人な会長と一緒にいれるし」


「うーん、まぁいいかな」


「後から文句言っても知らんからな。俺は入る」


僕らがひそひそ話をしてると唖然としていた3人もようやく冷静になる


「えーと確認なんだけど?やだ?」


生徒会長が再度確認を取ってくるが笑顔がなんか引き攣っている

額には血管が浮いてるし普通に怖い

美人が台無しである


「はい、今回は遠慮させていただこうかなと」


「じっ、自分は入らせていただこうと思いますっ!」


ビビっているのか緊張しているのか、叫ぶキルシにふっと笑顔を向ける生徒会長

だが、すぐさまこっちを向く

まじ怖いんですけど僕なんかした?


「というか何故僕なんでしょうか?次席のキルシなら分かりますけど僕はそこらのモブですよ?」


「生徒会の会長、副会長、風紀はそれぞれ学年最強の生徒が務めるわ、それ以外に書記と会計と庶務という役職があってそこには頭の方が優秀な生徒を勧誘しているの」


なんか上手いこと丸め込もうとしてるけど普通に分かんないぞ、僕の学科は別に学年1位とかではないし特別に何かやった訳では無い

兎にも角にも生徒会なんて面倒臭いものには絶対入りたくない


「と、言うことでしたら僕は力不足だと思いますので遠慮させていただきます。では」


少々強引に話を終わらせて生徒会室を後にする

やっぱり人付き合いとか面倒臭いし部活は入らなくていいかな

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