第3章 騎士高等学園

第36話 入試

来た時は修行しながらってのもあったけど1ヶ月くらい移動に時間がかかったけど帰りは20日ほどで着いた


修行をしてきた成果が目に見えるのはやっぱり嬉しい


入試まで少し日数があったので勉強する

いくら最近勉強してたと言っても2年間学校の授業受けてないってのはかなりのハンデのはず

そもそもあいつと戦う為の舞台にすら上がれないのは勘弁願いたいから必死に勉強した


そして迎える入試当日

僕はサウストに来ていた

というのも騎士高等学園はサウストにあり

魔法高等学園はノースリーブにある

一般の高等学園はウェスイーストとイーヴァストールに、と言うふうに都市毎に別れているからだ


サウストに来たのは初めてだったが前ほど興味が湧かない

学園が見えてきた

人類学園もかなりデカいと感じたがその比ではないくらいにデカい

城と呼ばれても分からないレベルだ

学園に近付くと入試を受ける人達なのか、かなりの人数がいた

見た目だけだが年齢層も僕ら世代からおっさん世代までかなりの幅があり騎士高等学園だけ特別と言っていた意味が分かった


入試は学科、実技、面接らしい

実技があるとか聞いてない

ほんとにあの師匠適当過ぎる!

今更師匠に言っても直らないし

今から騒いでも結果が変わる訳ではないので切り替える


まずは学科試験だ

100人単位で教室に割り振られテストを受ける

科目は国語、算数、歴史の3つ

かなり身構えていた僕だったが想像の10倍は簡単だった為拍子抜けだ

だが周りの受験者の表情はあまり芳しくないどうやら勉強が出来る人間は少なそう

騎士学園は脳筋揃いみたいだ


そして問題の実技試験

1人ずつ部屋に入れられ試験官と模擬戦をする

僕の相手は30歳くらいのベテラン臭漂う人で武器は槍


「受験番号482ルーカス」


「はいっ」


「お前武器は」


「ありません」


「そうか、怪我をしても恨むなよ」


呆れ顔の試験官だが僕をほんとに心配してくれてるみたいだ

優しい人なのだろう

僕は[纏い]を発動する


「それでは!試験開始っ!」


試験官の声と共に槍を突き出してくる

試験と言いながらも手を抜いたりはしていないようだ

武器の扱いについては一通り教わったから試験官の槍が相当鍛錬を積んだものだと分かる

隙のない構えから繰り出される流れるような連撃


だがそれだけ

圧倒的なパワーやスピードがある訳でもなく魔力を乗せたりする訳でもない

師匠に比べたら蟻を相手にするようなものだ


3分間ほど経った気がする

僕は試験官の攻撃を防ぐでもなく避け続けていた


「あの〜」


「なんだ!?」


攻撃が当たらずイラついていたのかキレ気味に答える


「これって反撃していいんですか?」


僕の質問に唖然とした顔をする試験官


「は?」


「いや、だから反撃していいんですか?」


「模擬戦と言ってるんだから良いに決まってるだろうが!!」


顔を真っ赤にしながら声を荒らげる試験官

そんなに怒ることないのにと思いながら1発で気絶させて部屋を出た

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