第34話 VSクレア

今日からクレアと一緒の修行が始まる

と言ってもクレアは自宅から通うのでずっと一緒と言う訳では無い

修行場所に着くと既にクレアがいた


「先生、ルーカスと本気で手合わせしたいのだけど、いいかしら?」


「今の実力を測る為にも丁度いいだろう」


「本当は闘技大会の決勝で戦いたかったのだけれど、2人とも負けちゃったから…」


「そういえばなんで戦いたかったの?」


「あの時はあなたみたいな弱そうな子が先生の弟子だなんて許せなくて…」


申し訳なさそうなクレア


「あー、なるほど確かに冴えないもんね僕」


「いっ、今はそんな事思ってないの!」


「ふふっ、ありがと。じゃあやろっか」


僕がそう言うとクレアは真剣な表情になる

[身体強化]を発動し木刀を構える


僕は[纏い]を発動する


クレアが横薙ぎを放つ、当たらないギリギリの所まで後ろに下がる

躱されたと分かった瞬間横薙ぎを止め突きに変えてくる

半身になって突きを躱し懐まで入る

木刀を落とす為、手に手刀を放つ

クレアは木刀を手放し手刀をから振った僕の腹に蹴りを入れる

完全に虚を付かれた僕はもろに喰らい吹き飛ぶが[纏い]のお陰で大したダメージはない


「今のは完全にやられたよ」


「捨て身の攻撃まで使って割と本気で蹴ったのに[纏い]だけでノーダメってなによそれ」


完璧に攻撃を入れたのに不満そうなクレア

ノーダメって訳でもないんだけどな


「次でラストね」


剣を拾ったクレアは腰に木刀を構える

なんだかヤバそうな構え


僕は足と手を[部分強化]する


「居合[一閃]」


呟いたクレアの姿が歪む

高速移動により残像が生まれたようだ


僕は避けずに攻撃を待つ

高速移動からの横薙ぎと想定し、剣を振る前に叩こうとしたが嫌な予感がした為、最大出力で[シールド]を張る

直後[シールド]からガンッと鈍い音が響きクレアの斬撃を防いだ

音と同時に[シールド]を解除しクレアを捕まえる


「僕の勝ちだね」


「ほんと呆れたわたしの必殺技を[シールド]だけで防ぐとかなんて魔力してんのよ」


クレアは呆れたような笑顔で言う


「でも最後の技、全然見えなかったよ驚いた」


「速すぎてコントロール出来ないから直進しか出来ないのが課題なのよね」


褒められたクレアは照れながら答える


さっきの戦いの解説と反省点などを師匠に説明してもらって、それを踏まえて修行の方針を決めた


午前中はひたすら修行した

午後からも引き続き修行かと思っていたら


「今日から勉強も始めるぞ、修行ばっかやっててもロクな大人にならんからな」


「「えー!!」」


駄目な大人代表みたいな師匠にそれを言われるのはちょっと気になったけど、確かにそうだ

今まで考える余裕がなかったけどほんとなら僕は来年から高等学園に通う歳だ

これからずっと師匠のお世話になる訳にもいかないし将来の事も考えないといけない

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