第16話 脱ボッチ

あの日から様々なイジメが行われた

朝教室へいくと黒板への落書きに加え

机にも落書きされるようになった

それだけでなく学校で履く靴がなくなっていると思ったらゴミ箱から出てきたり

トイレの個室に入っていると上から水をかけられたり

むしろよくそんなに色んなイジメを思いつくのだと関心するほどだった


だが僕は決して負けないし逃げない

目隠しちゃんを助けたのは間違っているなんて思わないし

イジメをする奴らには罰があるはずだ


そんな日々を過ごしていたら気付くと11月になっていた

イジメられている僕に近寄ってくるものなどおらず相変わらずのボッチライフを過ごす


プロボッチの僕はいつものように帰宅するべく靴箱へ向かう

自分の靴箱を見て靴がちゃんとあることに安堵した、次に慎重に靴の中を確認しする

以前何も確認せずに靴を出すと靴の中から大量の虫が出てきた事があった

あれには流石の僕もかなりのダメージを負って心が折れかけた


靴の中も無事だったから履き替える


「キミ、ルーカスくん?」


「へ?」


いきなり後から話しかけられた僕は急な事に思考が追いつかずアホみたいな返事をする


「へ?ってなにーおもしろーい」


話かけてきた女子生徒はそんな僕の反応を面白いと言い笑う

ようやく思考が追い付いてきた僕は女子生徒の方を向く

身長は125くらいだろうか?僕より少し低い

髪は茶色に染めていてショートボブ

顔は普通に可愛い

こんな子は知らないしクラスメイトでも無かったはず


「君誰?」


「わたしはエリーよ、キミと同じ1年生」


「僕の事知らないの?僕と話してもいい事ないよ」


僕のせいでこの子までイジメられるのは嫌だったから突き放す


「知ってるよー♪」


「知ってるなら尚更だよ、こんなとこ見られたら君までイジメられる」


「んーでもルーカスくんと話してみたかったし帰り道だけでもどう?」


首を傾げながらそう言うエリーはとても可愛い、可愛い女の子に抗う術を持っていない僕は降参した


入学してから初めてボッチではない下校時間

それがまさかこんなに可愛い女子生徒と帰るなんて夢にも思っていなかった僕は終始緊張しっぱなしだった

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