第15話 ピート②

「ちょっと待てやー!!」


飛び出した僕は叫びながら男子生徒Aにタックルをかます


「うわっ!」

「なんだこいつ」


男子生徒Aは吹っ飛び

驚いた男子生徒Cは目隠しちゃんから手を放す

それを見た僕は男子生徒Cの股間を蹴り飛ばす


「ッ!!」


声にならない叫びをあげた男子生徒Cは股間を抑えながら蹲る


「さっさと行って先生呼んでこい!!」


そう叫んだ僕に驚きながらも目隠しちゃんは逃げるように走って行った


急にいろんな事が起きてポカンとしていた男子生徒Bだがようやく思考が追いついたのかファイティングポーズをとる

男子生徒Aも起き上がって男子生徒Bのとこにいく


「3対1だ勝てると思ってんのか?」

「ヒーロー気取ってんじゃねぇぞボケっ!」


男子生徒ABは僕を見て勝てると踏んだのか挑発してくる


「クソデブの取り巻きして粋がってる雑魚は相手になんねーよ」


慣れない事をしてテンションがハイになっている僕も挑発を返す


僕の挑発に怒ったのか男子生徒ABが殴りかかってくる


「待てっ!!」


ピートが2人を止める


「お前もしかしてへっぽこルーカスか?」


僕の顔を凝視しながらピートが聞いてくる


「お前相変わらずデブなくせにダサい事やってんな」


テンションがハイなままの僕は嘲笑うようにピートに言う


「まさかお前も第39ノースだったとはな」


ピートはそう言いながら気持ち悪い笑みを浮かべる


「おいお前らいくぞ」


「で、でもっ舐められたままじゃ」


去ろうとするピートに男子生徒Aが食いかかる


「教師を呼ばれている可能性がある、報復はまた今度だ」


ピートがそう言いながら去っていく

諦めたのか男子生徒ABは僕を睨みながらピートと共に去る

ようやくダメージが抜けて立てるようになった男子生徒Cも股間を抑えながらピートの所まで走っていく



翌日教室に入ると周囲がザワついている事に気付く、何かあったのだろうか?

周囲を見渡すと黒板が目に付いた


そこには黒板全体を使うように

「ルーカスは貧乏人」

「ルーカスは地味な女が好き」

「ルーカスはマザコン」

等とあることない事様々な悪口が書かれていた


イジメの対象が僕ロックオンされたのだろう

こんなのは気にしても仕方が無いし

昔みたいに僕は逃げたりしない

そう心に誓った僕は周囲の反応など気にせず黒板の文字を消す

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