第14話 ピート

夏休み明けの登校日

教室を見渡すと肌が焼けて黒くなっている人

イメチェンして髪を染めている人

恋人だろうか?男女でイチャイチャしている奴ら

………リア充は爆発しろ

など夏休み前とはかなり雰囲気が変わっていた

僕?僕は変わらずボッチだぜ!


1週間ほど何の変哲もない日々を過ごしていたらある噂が耳に入る

特進クラスの1人がイジメをしているらしい

それを聞いた僕には心当たりがあった

特進クラスの4人の名前を聞いた時から気付いてはいたが思い出したくない過去から目を背ける為に気付かないフリをしていた


昼休憩の時間

給食を食べ終えた僕は散歩をする

体育館の裏、ここは涼しくて過ごしやすいし人があまりこない

最近見つけた僕のお気に入りの場所である

いつもの様にそこへ向かうと1人の女子生徒を4人の男子生徒が囲んでいた

険悪な雰囲気だったため陰からこっそり見る


「おいブス金をだせ」


太った男子生徒が女子生徒を睨みつける

恐怖からか、女子生徒は震えながら俯く


「無視してんじゃねーよ」


男子生徒Aが女子生徒を突き飛ばす

突き飛ばされた女子生徒を見ると目隠しちゃんだった


「特進クラスのピート君に逆らったらどうなるか分かってんのかぁ!?」


男子生徒Bが声を荒らげながら脅す


「やっぱりかよ…」


予想通りの名前が出てきた僕は頭を抱える

ピートという男子生徒を僕は知っている

最後に見たのは4年前

その時より縦にも横にもデカくなっていたが

間違いない、僕をよくリンチしていたあのクソデブ野郎である


状況から察するにピートが目隠しちゃんをカツアゲしている現場に居合わせたようだ

イジメをしているという噂だが目隠しちゃん1人が対象なのか

それとも色んな生徒に対してやっているのか


「さっさと出せって言ってんだろ」


男子生徒Cが目隠しちゃんを蹴る


「いたっ!!」


蹴られた目隠しちゃんは震えながら財布をだすと男子生徒Bが財布を奪って確認する


「これっぽっちしかねぇのか?」

「そんな訳ねぇだろ探そうぜ」


男子生徒Cがそう言い目隠しちゃんを無理やり立たせて両腕を掴みバンザイの形にする

男子生徒Aはニヤケながら目隠しちゃんの身体を弄る


流石に許せない

マジレンジャーをリスペクトする僕としては見過ごせないし、少しとはいえ話したことのある目隠しちゃんを見捨てることは出来ない


「ちょっと待てや!!」


意を決した僕は飛び出した

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