第13話 宿題とケーキと
中間テストで赤点を取ると補習という制度があるらしく夏休みにも関わらず学校へ行って授業を受けないといけないらしい
歴史と世界は授業を真面目に聞いていたから問題なかった
算数も意外と大丈夫だった
毎度爆睡していた為赤点の危険がかなり高い魔法と国語は勘が冴え渡りギリギリ赤点回避できていた
僕天才(キリッ
ということで楽しい楽しい夏休みがやってきた訳だが何をしよう
海にプールに夏祭り、花火に虫取り、川遊びやりたいことはたくさんあるぞ!!
と思ったが友達がいない
もちろん彼女もいない
仮にそれらがいたとして連絡手段がない
普通の学生は電話と呼ばれる離れていても連絡できる魔法具を持っているらしくそれを使って連絡を取り合っているみたいだ
もちろん貧乏なうちに電話を買ってもらう余裕などある訳もなく
仮に電話を買って貰ったとしても誰1人として電話番号を知らない僕には連絡をとる手段がなかった
という訳でどこに出かけるでもない僕は宿題と睨めっこしながら日々を過ごしていく
結構大量にあった宿題だがプロボッチの僕にかかると8月に入る前には終わっていた
一日中家に居るのは久々なのであることに気付く
僕には毎週2日休みがあって今は夏休みという長期休暇がある
だが母には夏休みなどある訳もなく、なんなら週に1日しか休みがない
毎日朝から夕方まで仕事に行っていた
それなのに僕がご飯を食べる時間になると出来たてのご飯を作ってくれていて
疲れている素振りすら見せない母に尊敬と心感謝の気持ちが込み上げてくる
いつもありがとうと言おうかと思ったが
恥ずかしいからやめておく
8月3日
僕は10歳になった
「誕生日おめでとうルーカス」
「ありがとう母さん!!」
母は誕生日にいつも手作りケーキを作ってくれる
世間一般的な家庭では誕生日プレゼントにおもちゃやゲームなど欲しいものを買ってあげるのが普通らしい
そういうのが要らないって言うと嘘になるが母が作ってくれるケーキはとてもおいしい
このケーキが食べられるだけで誕生日は僕が世界で1番幸せだと断言出来る
10歳というと大きな節目である
あと5年もすると成人を迎える
早いような遅いような
あまり実感がなく想像出来ない
実感がない僕は残り1ヶ月の夏休みをぐーたら寝て過ごした
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