第12話 ビバボッチ
学園に入学して3ヶ月が経とうとしていた
7月である
夏である
暑い
この頃になると学園内のグループも完成されスクールカーストなるものが形成されていた
一軍は特進クラスの4人
二軍は100越えの残り9人
三軍は普通の陽キャ達と一軍二軍の取り巻き
四軍というか底辺はその他モブ
僕?僕はもちろん四軍っ!!
というか友達すら出来てない
ビバボッチ!!
泣きそう
誰かが話しかけてくれるだろう
友達なんて普通にしてればできる
などと楽観視していたら誰にも話しかけてもらえず時間だけが過ぎていた
1週間後には学年中間テストがありそれが終えると1ヶ月半に渡る夏休みが始まる
ボッチで迎える夏休みほど辛いものはない
テスト勉強より友達作りの方が大事だ!
あわよくば彼女!!
彼女さえいれば友達などいなくても楽しい毎日が過ごせるに決まっている!
そう心の中でやる気に満ち溢れた僕はテスト勉強もせず友達&彼女作り大作戦を決行する
第1段階は男子生徒と話をする
………
………
………
朝から機会を伺って隣の席の男子生徒に話かけようとしたが無理だった
まず話題がない
他の奴らはどうやってそんなに話題を見つけているのか分からない
僕以外は皆会話の天才なのか…?
結局放課後まで話かけることが出来なかった僕は諦めて帰宅した
次の日必殺技を考えてきた僕は意気揚々と登校する
教室に入る前に隣の席の男子生徒が来ているの確認して自分の席に向かう
「おはよう」
そう必殺技とは朝の挨拶である
朝の挨拶であれば話題がなくてもできるし大して仲良くないやつからされても問題はない
昨日この必殺技を思い付いた時僕は天才なのでは?と思ったほどだ
「おはよー」
話をしたこともない僕に挨拶され少しびっくりした男子生徒だったが普通に挨拶を返してくれた
初めて自然に会話できた僕は心の中でガッツポーズを決める
さらに次の日も隣の男子生徒と朝の挨拶を交わす
2日連続で挨拶したってことはもう友達なのでは?という謎理論により第1段階は完了
続いて第2段階へと移行する
第2段階は女子生徒と話をする
この3ヶ月で女子生徒と話したのなんて目隠しちゃん(ほんの少しだけ)くらいな僕にはかなり難しいミッションだった
第1段階と同じように朝の挨拶をしようとするが緊張し過ぎて声が出ない
というか女子生徒は大抵固まって動いているのでそこに突っ込んでいく勇気がない
第2段階を達成出来ないまま日々を過ごしていたらいつの間にか夏休みが始まっていた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます