第6話 再会そして

〜3年後〜


あれから4年経ち僕は9歳になった

カノンがいなくなった当初はなにもやる気が起きず引きこもりとなった

1ヶ月もすればそこまで気にならなくなり立ち直ることが出来た


人類大陸では10歳になる歳に人類学園に入学する事が義務となっている

3年間そこで学び大抵の人は入試を経て高等学園へと進学する


今日は母と学園で必要な物を買いにデパートに来ている


人類学園は私服登校で鞄等も指定の物がないので各自で用意しないといけない物が多い

その為デパートの中を何周もするハメになり普段外にでない僕にとってはかなりの重労働となった


「母さん休憩しよー」


「だらしないわね、母さんだけで見てくるからそこで休憩してなさい」


休憩する権利を得た僕は椅子がたくさん並んでいる休憩コーナーで一息つく


「はやく帰りてぇ」


そう呟きながらぼーっとしていると見覚えのある姿を見つける


「カノン…?」


4年前に見た姿から成長してはいるが、変わらない黒髪ツインテールに可愛らしい顔

間違いない

僕の初恋の人だ


彼女を見付けた瞬間胸が高鳴る

諦めて忘れたはずだった想いが蘇る

話したい気持ちが溢れ出し駆け出す


「おーい!カノっ…」


声を掛けようとしたが彼女の隣にある人物を見付けやめる


僕より2、3歳ほど年上だろうか?

そんな雰囲気を纏った金髪のイケメンが彼女と手を繋いでいた

彼女から兄弟がいないというのは聞いていたから彼氏だと思われる


わざわざ確認する勇気もない僕は逃げるように立ち去る

僕の頬を涙が伝った


僕の初恋は想いを告げることもなく終わる

なぜ4年前突然いなくなったのか?とか彼とはいつ出会ったのか?とか聞きたいことが溢れてくるがそんなことはどうでもいい


世の中所詮イケメンである

僕は流れる涙を堪えながらトイレへ行き鏡を見る

普通の髪型に普通の容姿、というより涙でぐちゃぐちゃになった顔は若干不細工である

泣いたことがバレない様に顔を洗い休憩コーナーへ戻る

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