第5話 限界突破
次の日も僕は森へ走って行く
決してあの子がいるかなーとか思って走っているわけではない修行の為である
いつもの切り株の所につくとあの子がいた
「あっ!やっぱりきた!おーい」
彼女は僕を見つけると手を振りながら走ってくる
「な、なんで今日もいるんだよ」
彼女がいたことが嬉しいのだが恥ずかしさから思ってもない事を言ってしまう
「だって君昨日名乗らずにいっちゃったじゃん」
ぷくーと頬を膨らませてそういう彼女は今日も可愛い
「名乗ってほしいならお前から名乗れよ」
「私はね、カノンだよ」
「僕はルーカス」
「ルーカスって言うんだよろしくね」
そう言った彼女は僕の手を握る
「………よろしく」
恥ずかしさが限界突破している僕は小声で応える
「ルーカスはここによく来るの?」
「最近よく来るようになったんだ」
「ふーん、私家が近いんだ!よかったらお友達になってくれない?」
「い、いいよ」
素っ気なく返事した僕だが生まれて初めて友達が出来たとあって踊りだしそうな心境であった
しかもこんなに可愛い女の子だ、嬉しいに決まっている
その日からカノンとよく遊ぶようになった
初めは緊張してぎこちなかった僕だが日を重ねるごとに慣れてきた
彼女と話していると楽しいし、誰かと遊ぶなんて初めての経験でワクワクした
そんな貴重な経験をさせてくれた彼女に僕はいつの間にか恋をしていた
恋をしたからといって5歳児が告白をする訳でもなく彼女への想いを募らせながら毎日を過ごしていく
彼女と初めて出会ってから2ヶ月が過ぎようとしていた(ちなみに修行はもうしていない)
今日もいつもの場所に向かう
が、珍しく彼女がいない
30分ほど待つがこない
僕は諦めて家に帰る
それ以来彼女と会うことはなかった
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