第4話 初恋

今日も今日とて森へ向かう

そろそろ修行を始めて1週間経つ、何も起きないし何も感じない

だが僕は3段階へ進んでいた

3段階の修行は身体に纏った魔力を一点に集中させるというもの

つまり必殺技そのものの修行である

僕は右の人差し指を立てる

全ての力を人差し指に込めるイメージで見つめる

指に熱い何かが集まってきたような気がする

さぁ!もう少しだ!


「何やってるの?」


「あっ、へっ?」


急に話しかけられた僕は驚きながら変な声を出し慌てる、声が聞こえた方を見るとそこには黒髪ツインテールの同い年くらいの女の子がいた


「ふふっ、そんなに驚かなくてもいいのに」


彼女はそう言いながらはにかむ

可愛い


「誰かいるなんて思わなかったんだよ」


今まで母以外の女の子と話したことがなかった僕は恥ずかしさから顔を俯かせて返事をする


「ふーん。で、なにやってたの?」


「修行」


「修行?」


彼女は首を傾げながら近寄ってくる

やっぱり可愛い


「そう、僕は強くならないといけないんだ」


「そうなんだ!なんだかかっこいいね」


僕のすぐ側までやってきた彼女は目を輝かせながら僕の顔を覗き込む

その顔を見た僕の心臓はうるさいくらいに高鳴っていた


「きょ、今日の修行は終わったから帰る!」


心臓がうるさい理由が分からなかった僕はその場から逃げるように立ち去る

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