第2話 目覚め

 「・・・?」


 俺、野村正弥はそよ風に撫でられて目を覚ます。

確か家のベッドで寝ていたはずなのに、なんで風が吹いているのだ?


 俺は目を見開く。

視界に飛び込んできたのは果てしなく続く大空。

そして周りを見渡すと心地よい草原・・・


 って眠りに入ろうとしている場合ではない。


 ここはどこなのだ!?

というか寝ている間にどうやってここに辿り着いたのだ!?


 そんな感じでスタートした俺の異世界ライフ。


 それから俺は聞き込みをするために人がいそうな建物を探す。

しばらく草原の中を歩くと、現れた川の淵に荘厳な建物が一つあり、人影が見えた。


 (人が集まっている、あそこで聞けばここがどこかが分かりそうだ。)


 俺はその建物に入る。

すると、すごい偉そうな衣装に身を包んだ人たちが並んでいた。


 (あ、入ってはいけないところだったかな。)


 そう感じた俺は引き返そうとするが、誰かに引き留められたのだ。


 「待ってください!そこの方。」


 (え、俺?)


 一瞬、こう思った俺だが他に当てはまりそうな人がいないので振り向く。

すると・・・


 「やはりそうだ、神託にあったお方に違いない!!」


 「え、神託って・・・何それ・・・?」


 その時は怪しい宗教団体の建物にでも入ってしまったかと思った。

だが、彼らは引き返す間を与えてはくれず、それどころか建物の一番奥にある

豪華なイスに座らされたのだ。


 (これから何が始まるのだ・・・?)


 今すぐにでもここから立ち去りたかったが、入口の扉が閉ざされて望みは断たれた。

俺、正弥はこれからどうなるのか、それは神のみが知るところなのである。

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