第10話 未来

火をおこすと揺らいでいる炎を眺めながら考えていた。

『おれも一緒に連れていってくれ!』

なんで省吾がそんなことを言ったのかわからないが、一つだけ言えることはある。

省吾も俺も先行きのわからないもののために取りつかれて疲れきっているということ。

『なんでこんな世界になっちまったんだ?遺伝子の優劣で立ち位置がかわっちまうなんて…。』

『AIだよ』

『え?』

『AIの技術がそうさせたんだ』

『どういうこと?』


すでに人間は自らの意思で決定する力がなくなってしまった。

人口は減り

そのために何かをうちださないといけない

そのためには非人道的なこともしなければならない

結婚すれば家庭ができて子供も増える

だけど3000年前から人類は家庭という歯車に疲れてしまっていた。

疲れるようなことはしたくない

めんどくさい

そうなってくるともう人は自分の思う通りに生活できていればそれでいいに違いない。

そう考えても不思議ではない。

ある一定のルールを決めておけばこんなこと人口知能でもできる。

そこで政府は考えた。

人が関与することのないところで決定していけばいいんじゃないかと。

そこで考えだされたのはAI(人口知能)

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