第9話 兄弟(姉妹)
『だれ?』
『探したよ』
現れたのは省吾だった。
『まってくれ!話を聞いてほしい!俺も連れていってほしいんだ!』
どういうこと?
『369…一緒に逃げてほしい…。』
意味がわからなかった。
どういうこと?
『実はぼくは今の母さんの子供が産まれてきたら処分の対象になるんだ。』
話がみえなかった。
『実は弥勒…僕の父は僕のことを不義の子供じゃないかと疑っているんだ。』
え?
どういうことなんだろうか?
そんなこと…。
『杏菜…君のことは知っていた。おじさんから聞いていたし活動のことも知っている。だからそんな君を君たちを信頼してお願いしているんだ‥‥頼む連れていってくれ』
どういったらいいかわからないけどとにかくなぜ弥勒が省吾のことを疑っているのかがわからないので聞いてみることにした。
父弥勒は369を一度も見たことがなかった。
初めて369の姿を見た父はびっくりして動揺した。
なぜだかわかるかい?
顔立ちが僕とそっくりだったから
半分は同じ母さんの血が入っているからとあるところは似てくるもんなんだろうけどここまでそっくりだったのは正直びっくりしていたと後ほど語った。
『369と僕は似ているんだよ。そっくりだといってもいいほど似ている、だから父弥勒が僕も君と同じで母の不義の子であって自分の子供じゃないと思いはじめているのもわかる話なんだ。』
『369じゃないわ…竜馬よ!省吾戻りなさい、あなたは一緒にくるべき人じゃない。』
『杏菜?』
『竜馬いきましょう。ちょっと時間かかりすぎたわ…。省吾あなたは信用できない』
そういうと杏菜は荷物をもっていこうとした。
『待って!杏菜連れて行こう省吾も』
自分の兄弟が困っているのにみすごせない。
ここでおいていったら俺も弥勒と一緒だ…。
そう思いながらも施設にいたころの省吾を考えると少しばかり連れていくことが正しいかどうかはあまり考えていなかった。
ただこの時は自分と同じように省吾も困っていると考えていた。
それにもしかしたら仲間をどんどん増やして今のこの状況を変えられるんじゃないかと、そう思っていた。
『省吾…俺は数字で呼ばれるのは好きじゃない…竜馬だ!そう呼んでほしい』
『わかった竜馬』
『竜馬!だめよ!』
『杏菜お願いだ…連れて行こう』
しぶしぶ杏菜は荷物をひとつ省吾に投げ渡すと省吾をにらみながら
『私は認めないから』
そういって森の中へ入っていった。
続けて森の中に入っていく
森の中は昼間だというのに暗い…。
しばらく歩いていくと目の前の空間が少し開けた。
『この辺は自然のバリケートと呼ばれるほどいろんなことができるのよ!だから弥勒もここの森までは追ってこない』
なにができるんだ?
杏菜は荷物の中からキーみたいなものを出すと地面に突き刺した。
-解除します!―
機械の声みたいなものが響き周りの空間にいろんなトラップが音をたてて、でてくる。
すげえぇ~~!!
でかいビーム銃のような形のトラップや横から振り子のようにして出てくるトラップが一斉に見えるようになった。
『さぁ行きましょう』
トラップの間をぬってまた森の中に入るとキーを差し込む
―設定します―
また先ほどのトラップは見えなくなった。
どんどん奥のほうに進んでいくうちにあたりが暗くなってきた。
『今日はここで野営しましょう。』
そういうと先ほどまで運んでいた荷物からテントを出して張り出した。
『私は水を汲んでくるので竜馬と省吾は火の準備をお願いします。』
『わかった』
俺は省吾と薪を拾い薪をくべて火をつけるために周辺の松ぼっくりも一緒にくべた。
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