第6話 おとなの事情~スマホを覗いただけなのに

 世界18か国でリメイクされたという本作、日本版も年初に公開されましたね。私が見たのはオリジナルのイタリア版。脚本が秀逸で、最後まで楽しめました。かなり皮肉な内容でしたが。

 例によってネタバレありますが、控えめにしてるし、とにかく脚本がいいので、是非見てほしい作品です。


 パーティの席上で、ひょんなことから互いのスマホを晒すことになった3 組の夫婦と一人の独身男性。秘密なんかない、誰に何を聞かれても大丈夫、とスピーカーで7つのスマホの着信を聞く。ほんとに大丈夫なのかと心配になります。

 軽いゲーム感覚。そうそう秘密なんて、ないよね。皆、自信ありげ。出だしは特に事件もなかったものの、次第に雰囲気がやばくなっていきます。

 誰だよ、何を聞かれても大丈夫、秘密はない、と言ったのは。


 浮気がばれると困る、おまえのスマホ、同じ機種だから交換してくれ、と一人の男が独身男に迫る。しぶしぶ承諾したところ、交換したスマホに男の恋人からの電話が!

 他人のスマホだ、おれはゲイじゃない! と弁明もできない、じゃあなんでスマホ交換を、となりますもんね。妻からは、厳しい追及、しろろもどろの言い訳。

 他の男たちも不機嫌、ゲイであることが問題なのではなく、20年来のつきあいなのに隠していたとは水くさいと。


 結局、独身男がカミングアウトするのですが。苦い経過でした。

 ここまで便宜上、「ゲイ」と書いてきましたが。本作では当初からイタリア語での蔑視的表現が使われていました。最後になって「ゲイ」を使いますが、なんだかなー。


 正直、イタリアというか、ヨーロッパでもマイノリティは、こんな扱いを受けるのか、とショックでした。イギリスでも60年代まで同性愛は罪、投獄されることもあったんですよね。

 イタリアはカトリック国、それもあるのかな。なぜ同性愛がいけないかというと、聖書に「女と寝るように男と寝てはならない」とあるから、とも聞きます。


 ゲイがらみの作品とは知らずに見始めたのですが、様々なことを考えさせられました。

 日本版では、独身男は、東山紀之が扮しています。どんな風に演じたのか、ちょっと日本版にも興味がわいてきました。

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