第4話 人間失格~誰よりも愛し、誰よりも軽蔑した
サブタイトルは「太宰治と3人の女たち」ですが、私的には「3人の女と1人の男」にしてほしい。それほど彼の存在は強烈。
その男こそ、太宰の担当編集者、佐倉潤一(成田凌)。そう、「窮鼠はチーズの夢を見る」の今ヶ瀬なんですよー。もちろん、全く違うキャラですが、共通点も。
長年、あこがれ続けた作家(もちろん年上の男性)に影のように付き従う。
原稿をもらうために屈辱にも耐え、太宰の嫌な面も多々、目にし、「編集はいくらでもいる」と軽視され、それでも離れられない。
「斜陽」が大ベストセラーになっても、[くっだらない」と切り捨て、「たかが不倫小説。あなたはもっと凄いものが書けるはずだ」、と噛み付き、太宰と対決するシーンはぞくぞくします。成田凌も長身ですが、小栗旬はさらに背が高く、対峙する二人は見栄えがします。
学生時代から太宰を崇拝し、担当編集者となった佐倉。太宰担当の編集者を数人ミックスして造形した架空の人物ですが、成田凌は熱演しています。小栗旬の胸を借りての演技は、やりがいがあったことでしょう。「蜷川監督で、主演が小栗旬さんと聞いて迷いなく」オファーを受けたそうで、ずいぶん演技者としての成長にプラスになったのでは。
本作では眼鏡をかけていて、急に普通の人に見える。成田凌が普通の人を演じると、とても良いと私は感じるんです。何しろ太宰が相手ですから、編集者なんて凡人でしかないんですが、その凡人感がよく出ている。
佐倉が、太宰の最後の愛人、富栄に襲いかかる心理は謎。
妻や別の愛人と違って、ないがしろにされている3人目の女への同情なのか。
相手にされない同士で関係をもとうとしたのか、同病相憐れむってやつ?
彼女に好意を抱いているやに見える場面もありますが、本当にそうか?
「あんたには何もないんだよ、子供も、作品も。」
富栄の反論は、まだ死が残っていると。ちゃんと一緒に死ぬと先生は言ったと。
結局、彼女を手籠めにすることもかなわず、泣き崩れる佐倉。
なんなんでしょうか、この展開。
佐倉は「人間失格」を完成させられたから、それで我慢するしかないのか。
成田凌は私にとって「今ヶ瀬だった人」にしか思えず、困っております。
彼の恋愛映画は見たくない、でなくても現代が舞台だと、もう見る気にならないし。せっかく「戦前顔」という評価(?)があるし、明治の高官、帝国軍人、戦国武将などを演じてほしいですね、それなら見たい。
HPでのプロフィール写真が可愛すぎる。今ヶ瀬も負けそうです、役の上では眼鏡かけてるんだけど、この写真は外しているので。変ですよね、他の眼鏡かけてる役の人は、そのままなのに成田凌だけ。ファンサービス?
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