第17話

あれから

俺たちは一切、口を交わさなかった。


そして、あの日から1週間後の放課後、俺は琴音と教室にいた。

彼女が話があると言ったからだ。

このまま、別れると言われるなら俺はその方がいいのかもしれないとさえ、思っていた。


そして、先に口を開いたのは琴音だった

「ごめんね、私やっぱり思い出せないの………」

「いや、仕方ないことだしもういいよ…………

もう………どうでもいいよ……」

「よくないよ!」

俺はもう本当にどうでもよくなっていた…………

全て仕方ないと思えばいいと…

そんな俺に、琴音はなにかを差し出した。


それは、最近、恋人に渡すのが流行っているハート型のストラップだった。

「これ…………」

「私、やっぱり思い出せないけど、代わりに受け取って欲しいの…」

琴音は必死だった。

「琴音………」

視界がぼやける………

あれ、俺泣いてるのか…………

「ごめん、琴音は何も悪くないのに………ごめんな」

「ううん、私こそ酷いことしちゃって。」


彼女は諦めなかったんだ。

あぁ、俺、幸せだな………


そして、俺は次の日、早速カバンにストラップをつけて行った。

俺は、これで覚悟ができた。

何があっても彼女を責めることだけは、間違ってる。


俺が支えてやるんだ!

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