第12話

二学期が始まって1ヶ月くらいがたった。

そろそろ修学旅行が近づいてきたということで、部屋割りなどの話し合いがされた。

自由行動の班は、大人の都合により、琴音と一緒になることができた。嬉しみの極み乙女だ。


行き先は京都。

俺たちは埼玉に住んでるが、修学旅行なのにそう遠くないのだ。

日本の歴史をめぐるだのなんだのと校長は話していたが、ケチりたいだけだろ。

うちの学校はとにかく金がないと言われまくっている。おかげで校舎が綺麗なのはありがたいことだが……

(特にトイレが綺麗なのは何より嬉しい)


なんだかんだで修学旅行の日がやってきた。

バスに乗り、新幹線に乗り、本を読んでも酔わない俺に反して、今にも吐き出しそうな田中快斗(ネタ男、3話参照)。

ぐっすり眠ってる三浦琴音の隣で、つまらなさそうにしている北野みなみ(琴音の親友、同じく3話参照)。

この4人が今回の行動班となった。

乗り物酔いと居眠りと居眠り鑑賞者と脳みそ本漬けの4人がお送りする、静寂極まりない移動は、3時間にわたり行われた。


そして、栗田高校2年生は、京都にあるホテルに泊まることとなり、1日目は、歴史系の博物館を回って過ごした。

寝起きでボケてる三浦琴音と、三浦の周りで騒いでる北野みなみと、死ぬほどテンションが高い田中快斗の3名が新幹線を降りてから本領発揮をしたことにより、

俺は1人取り残されていた。

いや、もっとゆっくり行こうぜ……


そして、ホテルに向かって風呂やら晩飯やらがすんだ後、レクリエーションが行われた。

このレクリエーションが、意外と面白くて、企画したやつを天才だと思うほどだった。

三浦琴音もクラスの奴らと一緒にすげぇ楽しんでる。

俺も我を忘れて騒いでいた。

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