第6.5話 思いがけぬ要請


―――――――――


(緒方視点)


「はい。・・・ええ、聞いたことはありますけど」


「え?今、なんて言いました!?」


 その内容に、私は思わず聞き返してしまった。


「いえいえ・・・確かにそうですけど」


別に隠している訳ではないが、掘り起こされると微妙な気持ちになる。

そんなちょっとした「黒歴史」を持ち出される。


・・・とは言え、それを理由に断るほどではない案件だろう。


「わかりました。・・・え?もう一つ?」


これ以上何をさせるんだ、この方は。


「・・・瀬崎さんですか?」


思わぬ名前が出てきたことに、動揺した。

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