第24話柚木の誘い

とりあえず今日も今日とて部室に行く準備を整えて教室を出ようとすると、後ろから声をかけられた。


「神田くん。よかったら一緒に部室に向かいましょう。」

川上さんにそう言われて呼び止められた。

クラス内はまたざわめきたっていたが、そんなことには興味がない感じで近寄ってきた。


「いつもは素早く逃げられていたような気がするので今日は捕まえましたよ。」

と言われ確かにクラスで目立つのが嫌だったために川上さんと行動するのを避けてはいた。いつもは声をかけられる前に教室を出ていたが、今日みたいに声をかけてもらったらむげにはできないな。


「逃げていたわけじゃないよ。まあ一緒に行こうか。」といった。川上さんと一緒に部活に向かおうと教室を出たときに川上さんが


「ちょっと寄り道していきませんか?」

意外な提案が川上さんから出てきたが、まあここまできたらもうどこについて行っても同じなのでいいよとこたえた。どこへ行くかは川上さんについて行く感じではあったが後ろをついていった。


着いたのは僕がよく休憩に使っている中庭だった。川上さんはベンチに座り僕が座るのをまっていた。僕が座るとなにか言いたげなかんじではあったがなかなか話さない川上さんに何かあったの?と尋ねると川上さんが


「あの。これなんですけど。」と川上さんが出したのは遊園地のチケットだった。遊園地のチケット何て本当にあるんだとおもいながら

「これがどうしたの?」


「このチケットなんですけどお父さんからたまたま2枚もらったんですけど、有効期限が近くて友達を誘っても近い日はダメだったんです。でもチケットを無駄にするのもお父さんに悪くて。よかったら一緒に行ってくれませんか?」

思ったよりスゴイ提案が川上さんの口からでてきた。

僕と川上さんが遊園地なんて。まるでデー…いやいや川上さんは言っていたじゃないか。お父さんの好意を無駄にしたくなくて、たまたまいく人がいないから白羽の矢が僕に刺さっただけ

だ。

勘違いしてはだめだ。


「ここの遊園地のマスコットキャラが好きなんですよ。で今、期間限定でそのマスコットと写真を撮れるというキャンペーンがあるんです。でも今時まだここのマスコットが好きだとあまり知らない人に言えなくて。」

なんだなんだ。お父さんからもらったって言うだけでこんな僕を誘ってまで行きたい理由がそれか。確かにここのマスコットはどちらかと言えば小学生が好きそうな感じだもんな。ちょっと今だに高校生が好きだとは川上さんも言い出しづらいんだろうな。

全然そんなこと気にしなくてもいいのに。

まあ僕は付き添いってかんじなんだろうな。と翔平は自己完結した考えをしていた。


「わかったよ。じゃあその写真を撮るのに付き添えばいいんだね。」


「はい。行ってもらえますか?」


「いいよ行こうか。」

せっかくのご指名だ。ちゃんと役目をまっとうしようじゃないか。

「ありがとうございます!今週の日曜日とかってあいてたりします?」


「あいてるよ。じゃあその日にいこうか。」


「はい!楽しみにしてますね!」という川上さんを見てそんなにここのマスコットと写真を撮るのが楽しみなんだな。


話が終わるとそろそろ部活に行きましょうかと川上さんに言われて

そうだね。と答えて二人して部活に向かうのであった。

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