第16話先輩が後輩だった時

「先輩どこ行くんですか?」

僕は廊下を瑞稀先輩と歩きながら尋ねた。

もう学校は放課後で部活動の声や音がしていて賑やかなかんじだ。


「うーんどこいこっかー?」と笑顔で聞き返してきた。まあ先輩が考えて歩いているとは思ってはなかった。


「知りませんよ。先輩が散策に行くっていったんでしょ!」


「そうだけどー。そうだ!中庭行こっか!室内ばっかだと息がつまるし。」

まあ確かに外も歩いたほうがいいものが見つかるかもしれないしな。


「そうですね。行きましょうか」

と先輩に言われるがままついて行く。

中庭に着いたら先輩は、ベンチに座り隣に座れと言わんばかりに手をバタバタしてきた。

僕はそれに従い隣に座る。


「もう翔平にあって部活で過ごすようになって三ヶ月もたつんだねー!」

そうだ。もうあの日先輩に強引な勧誘を受けてからそんなに経つのか。

僕はずっと聞きたかっことがあったんだと先輩にたずねてみた。

「そうですね。そういえばずっとききたかったことがあるんですけどいいですか?」


「いいよー!なんでもきいてー!」


「なんで先輩はこの部活にはいったんですか?先輩は文芸部ってタイプじゃないのに何で入ろうとおもったのかとか、まだ2年なのになんで部長なんだろうってふしぎだったんですよね。」

そう。瑞稀先輩はまだ2年生だ。本当だったら三年生がいて、その人が部長をするんだろうけど。

まあ人がいなくてやっているんだろうけど。


「そのことかー。まあねー。私も今年卒業した先輩に誘われてはいったんだ。私も去年の最初はなにをしていいかわからなくて、学校っておもんないところだなー!っておもってたんだよねー。」


「え!そうなんですか。先輩は最初からその感じだとおもってました。」


「なんだかとげのある言い方だなー。まあ確かにこういう明るく振る舞う感じが、その時の文芸部の部長を真似してそうなったんだよね。まあつまり憧れたんだよね。その時私はすることがなくて校舎をぶらついてたんだよ。その時にその人に声をかけられたんだよ。なんでそんなにつまんなそうにあるいてるんだ!っていわれたの。いきなりだったからびっくりしちゃってね。思わずなんですかっていっちゃった。」


「先輩も僕を連れて行く時そんな感じでしたよ?」


「え?もうわすれちゃったよー。と話しがそれがちだけどその時に強引に勧誘を受けて、そうこうしてるうちに部活に入部させられちゃったわけ。そんなにつまんない感じで歩くくらいだったら私といたら面白くしてやるっていわれてね。まあ入部してもどうせすぐ辞めれるしとりあえずはいってみるかって感じで入部したら意外とたのしくてね。その先輩もはちゃめちゃな性格で宿題間に合わないから手伝えだとか先生にこれ頼まれたから手伝えだとかほんとに無茶苦茶だったよ。でもいつも笑顔で楽しくしてるのを見てたらなんだか面白くなっちゃってね。それで先輩が卒業するまで結局文芸部にいちゃったってわけ。それで先輩が卒業する時にお前が部長をやれ!って言われたんだけど。面白くなかったらやめていいしでも、自分からなにかしなかったらこの一年も楽しくなかったかもしれない。でもこの一年お前は私の言った通りにこの部活に自分から入部して、自分から部室にくるようになっていった。自分で行動することはいいことなんだと言われてね。それに面白く自分から持って行けっていわれてね。なんか適当なこといってんなーっておもったけど、残りの学校生活を絶対去年より楽しんでやるっておもっちゃったんだよね。」


「そうだったんですね。その先輩もめちゃくちゃですね。それが瑞稀先輩にうつっちゃったんですね。」


「なんか私がメチャクチャみたいな言い方だね?」


「みたいじゃなくてそうなんですよ。そういえばその先輩は女の人だったんですか?」


「え?気になる〜〜?ひ・み・つ・だよ!

乙女の秘密かな〜!」


「まあどちらでもいいんですけどね。」

どちらでもよかったんだが気になって聞いてしまったのがよくなかったな。


「もう可愛くないんだから。もういいくらいだし戻ろっか。」


「ほんとに何しに出てきたんだか。」


「休憩できたでしょ!早くいくよ!」


「もうまってくださいよ!」

とついて行くぼくだったが僕に聞こえない感じで言っていた。

「その先輩は女の先輩だったよ」


「なんですか?」


「なんでもないよー!」と先輩はいった。

僕たちは休憩をして部室にもどっていった。

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