第15話さすが先輩
僕は部室の扉を開けてみんなで中へ入ると先輩が
「あれ美希ちゃん珍しいね部室まで来るなんてどうしたの?」と先輩はたずねた。
???と僕はなった。
あれ?先輩と美希は知り合いだったのか。
でもどういう繋がりがあるのか。
「瑞稀先輩こんちはー!しょーへーと川上さんにさっきあってなんだかポスターとか作るって聞いたんで手伝いにきましたー!」
「そうなんだ!頼もしい援軍だね!ゆっくりしてってねー!」
「はい!バリバリ手伝っちゃうんで!しょーへーもそんなとこいないで早く座ってはじめよーよ!」
「そんなに言わなくてもわかって。それにしてもお前はどこで瑞稀先輩と知り合いになったんだよ。」
と僕はさっきから思っていた疑問を美希に尋ねた。
「んん?先輩とは委員会で一緒でね。そこで話すようになって、話してたらしょーへーと同じ部活っていうのを聞いて、そこから仲良くしてもらってるんだよ。」
まさかそんな繋がりがあったなんて世間は狭いのか美希がすごいのか。と思っていると先輩が
「そうだよー!美希ちゃんには翔平のことを色々と聞いちゃってるんだよねー。」
とニヤニヤしながら言ってくる。
こいつ何を先輩に吹き込んでるんだ。
「おい美希。なにを先輩にいってるんだ?」
「うーん。それは内緒だよー。」
と美希はとぼけるようにいってきた。
多分こいつはどんなに聞いたところで言わないだろう。それくらいはわかる。
そんなことを話していると
「神田くん!こっちにきてポスター始めちゃおうよ。相談してやらなきゃいけないんだから。」
と川上さんが話しかけてきた。
川上さんは何故か膨れっ面で可愛いかんじだった。
「そうだよね。ごめんね。」
「まあまあ3人とも。せっかく美希ちゃんも来てくれたことだし、みんなで相談して決めちゃおか!翔平は私の隣に来て書記して!美希ちゃんと柚木ちゃんは椅子にすわってね。」
「は、はい。」と二人はいう。
二人は先輩に言われたら流石になにもいえないのかその通りに座った。
「すいません先輩。何故か部室に来る途中から雰囲気が悪くて。」
と先輩が指揮をとってくれたんでとりあえずスムーズに進めそうになった。
「それをわからないのが翔平だもんね。」
とよくわからないことを言ってきた。
「何のことですか?」
「いやいいよ。翔平はとりあえずはそのままで。とにかく始めちゃおーか!」
「そうですね。」
四人で分担しながら役割を決めていく。また
もめそうだったので、先輩が役割を決めてくれた。僕と瑞稀先輩がポスター作りで美希と川上さんがチラシ作りという感じにおさまった。
「さー!はじめようか!」
先輩ずるいという声もあったがなにがずるいんだろうか?ポスターそんなにしたかったのかな?変わってあげたいけどここで言ったらまた先輩に怒られそうだからやめとこう。
「絵とかも書いた方がいいよね。なんか良さげな素材がないか学校を散歩しようか翔平!」
と先輩は言ってきた。
「先輩サボりたいだけじゃないんですか?」
「そんなことないよ。インスピレーションが大事なんだよ。インスピ!だからいこ!」
よくわからない事を言ってくるが、まあ確かにどういう絵を書くかちょっと、部室にいるだけじゃおもいつかないもんな。
「わかりましたよもうー!」
「え?二人ともどこか行くんですか?」
と美希はきいてきた。
「ちょっと散策してくるよ。二人はここで作業しといてねー!」
「え!ずるい!わたしもいきたいー!」
「星川さん!だめですよ。まだぜんぜんできてないんですから。」
と川上さんが美希をなだめていた。さすがに優等生ぶりがででいた。
「えー!だって二人でどこか行くっていうんだもん。」
美希はついてきたいのか川上さんを説得しようとするが
「それでもです!私たちに出された課題が終わってないのでだめです!」
とすごくもっともな事を言われてしまったのか美希もそれ以上のことは言わなかった。
「わかったよー…」
と川上さんがとめた。ほんとに真面目な人だなとおもった。たしかに僕たちだけなんだかサボってるみたいで美希にもなにもいえなかった。
川上さんは作業に夢中になっていた。
「そら行くよ翔平!」
「わかってますよ!」
と部室から出て行く。この人は本当に楽しそうな顔で、その姿を見ていたらこっちもたかが学校を散策するだけなのに楽しくおもってしまう。
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