第12話対策会議2

「きおとりなおして。それでは何か意見があったらいってちょうだい!」

と瑞稀先輩は意見を取り直した。


「うーん。そもそもこの部活がどう感じなのかとか、普段何をしているだとかを知らなくて…」と川上さんもっともの質問が飛んできた。

それはそうだよな。いきなり連れてこられていきなり意見を言えってのも無茶な話だ。


「宿題したりご飯食べたり翔平をいじったりとか普段してるかな。」

この先輩は本当にバカなのかとおもったがそれは心の中にとどめた。


「え?ここって文芸部ですよね?」と川上さんが、少しけげんな顔をしながらいった。


「翔平も言ってやってよ。普段どんなに楽しい事してるか!」


僕は先輩から無茶ぶりを投げかけられながらも答えた。この人は自分のさっき自分のセリフを忘れたのかとおもった。

誰がいじられて楽しいと思う人がいるのか尋ねたかったが


「普段は先輩の困ってる事を聞いたりとか文芸部らしいところは入部してから見た事ないですね」

と僕は嫌味まじりに言った。


「そんなことないでしょ。本読んだりとかしてるじゃん!」


「それは先輩が面白いって持ってきたマンガじゃないですか。」とこの人はバカなのかと思いながらいった。漫画もいいかもしれないが、それだったら漫研でもいいじゃないか。


僕と川上さんは冷ややかな目をしながら、先輩を見ていたら先輩は

「やめてよ。そんな目で見るのは。でも翔平も部活大事でしょ!」


「まあこの学校でゆっくりとできるのはここぐらいなんでなくなったら残念でよね。」

まあこれは本音である。自分の空間が一つでもなくなるのはやはり寂しい。


「もー翔平は照れなくても私に会えなくなるのが寂しいって正直に言えばいいのに。」


「え?そうなんですか?」と川上さんものっていってくる。こんなアホみたいな会話でそんなわけないじゃないか。


「もー川上さんが本気にするんで無駄な妄想はやめてください。」


「なんだ。」と川上さんは安心した感じでいっていた。


「とりあえず先輩は何かいい案はないんですか?」


「うーん。正直ぱっとはおもいつかないんだよねー。みんなはなにかない?」


「そうですね。ほんとは部活の良さを売りにしたらいいんでしょうけど、難しそうなんでここは無難に勧誘を頑張るくらいしかおもいつかないですね。」

そうだよなー。正直そこなんだよなと翔平も思っていた。特徴というか武器にするところがないからとっかかりがないんだよな。


「じゃあとりあえず勧誘のチラシとポスターとか作ってチラシをくばろっか!それに柚木が配ってくれたら賞賛はありそうなかんじだし!」

それは0とは言えないくらい川上さんは学年でも結構有名だとおもう。


「そんなことないですよ。でも私もこの部活動に協力はしたいんでなんでもやります!神田くんもだよ。チラシとポスター作りてつだってね。」


え?まじかーめんどくさいな。なんとか逃げる方法はないものかと考えていると川上さんが

「お願いしますね!」と笑顔で言われてしまっては「はい。」というしかなかった。


「それじゃあ明日からはポスターとチラシ作りしようか!」


「はい!」と川上さんは答えていた。


はー、めんどくさいことになったなと僕はおもっていた。



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