第4話僕なんかに

「おい川上さんがあの暗いやつに話に行ったぞ。」

「なんであんな奴と」

「知り合いだったのかなー。」

とクラスメイトは口々に言って騒いでいた。


もーやめてくれよー。目立ちたくないのになー。

「神田くんなにかお礼させてもらえませんか?」

と川上さんはいうけど。

ここは紳士に当たり障りのない対応でいこう

「いや全然大したことはやってないので気にしないでください」

よしこれでばっちりだ!


「大したことあります!すごくかっこよかったので。」


そんな社交辞令をしなくてもダサいのはわかってるのになー。あの時だって声を何とかかけれただけで、そのあとはヤンキーたちに詰められてビクビクしてただけだったし。

まあ川上さんは優しいからな。


ガラガラガラと扉が開けられ教師が入ってくる.

「おいもうチャイムはなってるぞ。席につけ」


「また後ではなしましょう!」

と川上さんはそれだけ言って自分の席の方に帰って行った。


あーなんでこんなことになるんだよなー。

たしかにあの川上さんとアクシデントがあったとはいえ、久々に話せて嬉しくない男子はこの世にいないだろうけど、教室で静かに暮らしていくと誓った僕は半々の気持ちでいた。


よしなるべく関わらないようにしよう!

それに社交辞令であそこまで言ってくれてるけど、ほんとは川上さんもなんでこんなやつなんかにとおもってるかもだしな!


と翔平はおのれの卑屈な性格が全開で考えていた!

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