寝てる間に異世界転生してたらいいな

バルタンソーセー人

1

 今日も寝床に就いて思う。

「このまま異世界にでも転生しないかな」

 現実はあまりにも無情で、夢を見る余裕さえもない。将来に対しては不安ばかりが募り、楽観であろうとするからますます悲劇的だ。

 それが、異世界ならどうだ?ネット小説の世界では御決まりのチーレム物語がある。それに、最初は不遇だけど、主人公が死んだり不遇のままだったら不評だから、やっぱり主人公無双ものもある。ここには、リアルでは叶えられない夢がある。

 「しかし、現実を甘く見過ぎではないか」と考える人がたいていだが、異世界という時点でリアル(現実)から目を逸らしていることは明らかである。そもそも、論争になりようがないのである。

 ともあれ、話を戻そう。異世界転生ものは大半が、トラックに轢かれるのが契機となっている。

 私も異世界に行きたいと願うからには、ぜひともトラックに轢かれなければならないのだが、正直なところ痛みを感じながら死ぬのは嫌だ。

 都合の良い考えだが、私は寝たまま転生する代わりに、チート能力を諦めようと考えている。

 あくまで願望だ。ここでは、異世界転生が可能であるというのを前提にして考えている。論理としては、地球最後の日に何をしたいかというのに答えるほど破綻している。(地球最後の日が分かっている前提で回答するから)

 ともあれ、このまま眠りにつくとしよう。宵の時間は夢を見せてくれる。そう、異世界転生という夢を。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

寝てる間に異世界転生してたらいいな バルタンソーセー人 @haranbanjiro

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ