第2話

 僕がリュードと呼ばれてから体感で3時間くらいが経っているだろうか?兵舎に案内されずに両手首を鎖につながれている僕のいる場所は牢獄の中だった。


「どう見てもリュードだよな?」

「だな?本当に不思議だよな?」


 鎖につながれて少しすると見張りの兵士が変わった・・・するとまた僕がリュードというだという話で盛り上がっているのだ。そこへ自らを責任者と語っていた赤い鎧のザイールが来た。


「様子はどうだ?」

「見た目はどう見てもリュードですね。」

「挙動不審ですしわけのわからないことばかり言ってるので転移者で間違えないと思うのですが?このようなことがあるのですか?」

「まだ何とも言えんが、古文書でもこのようなことが起きた事は無い様だな。」


「ザイールさんでしたっけ?なんで僕だけ?それともあんな風に言っておいてこんなあつかいするのですか?」

「すまない。転移者よ。本来の君・・・すなわちリュードという男は特殊な職業であってな普段はそうやって厳重に封印されているのだ。バーサーカーというのだがわかるか?それと無論、他の勇者達が鎖につながれているという事は無い。今頃夕食を食べながら我が国の事について学んでもらているからな。」

「ちょっとまってください。僕がそのバーサーカーとは限らないじゃないですか?」

「そうなのだが、もしそうだった場合に他の勇者達の身が危険だ。我々もな・・・。」


 バーサーカーというのは僕が思うものそのままので一度暴れだしたら手が付けられない狂戦士の事だった。そしてこのリュードという男は元々は奴隷だったがバーサーカー状態で1つの町を滅ぼしてしまったようだ。さすがにそんなものを使う人間もいないので国で管理していたようだ。


「そのバーサーカーがなぜあの場所にいたのですか?」

「それはな儀式の触媒として用いられたのだ。本来ならリュードはそこで死ぬはずだったのだ。」

「触媒?あれって人柱を使って行った魔法なのか!!」

「まぁ待て。あれは本来なら何十人もの人間を使って発動する大規模魔法なのだが町を滅ぼしてしまったリュードが自ら1人で触媒になることによって国への貢献と自らの浄化をしたいという達ての希望だったのだ。」


 僕は町を滅ぼしてしまった犯人になってしなった。そしてその後暴れる動物を見させられ僕の意識は途切れた。それは僕が狂戦士なのだという証拠でもあった。

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