第4話 ヒロイン加入
王都の大通り 『ジーク』
俺だ。
何かあれだ。
びっくりだけど、主人公と行動を共にすることになった。
いきなりだけど、俺も驚いてるから、おあいこな。
「元の仲間達のとこ、戻らなくていいのか?」
「大丈夫です。私は必要とされていないみたいですから、それに道で出会った、占い師のおばあさんが、新しい出会いを経験した方が良いっておっしゃって、励ましてくれたので」
何があったのか分からないけれど、彼女はしょんぼりしている。
さては何回か勇者に声をかけにいったな。
でも、この様子だと、断られてしまったようだ。
何やってんだよ、あいつら。
主人公だぞ。
物語始まんねぇだろ。
しかも脈絡なく話にでてきた、占い師のおばあさんって何だ!
そんな話、原作になかったよ。
名前も知らないモブがそんな地味な所で、原作改変しだすのやめて!
こういうのって前世の記憶持ってる俺の役目とかじゃねーの?
あっれぇー。
ともかく、そんな感じでパーティーインした主人公シャノンちゃんは、なぜか剛力というスキルを授かっているらしい事が判明。
んっ、あれ(もう何度目だ)?
こんな展開ゲームにはなかったけどな。
新しいスキルを得るなんて、しかもそれは剛力だなんて、聞いてないぞ。
なんて、思ってたら、悪役令嬢が登場して俺達にからんできた。
「仕方ないから、これをあげるわ」とか言ってアイテム恵んでくれたけど。
その仕方ないのセリフどこに関係してんの?
短時間でイベント連続すな!
一般人の処理能力超えるわ!
「ふんっ、勇者様に見捨てられたらもう新しい男に媚びを売るなんてねっ」
ていうか何でつっかかってくるんだよ。おいおい、よく見ろよ。
今、主人公ちゃんの隣にいるのは俺。
攻略対象なんかじゃないぜ。
でも、そんな事知った事かって感じで悪役令嬢が、ねちねちつっかかってくる。
うぇぇ、マジで?
なんかこの悪役令嬢「さっきの事は、忘れなさい。余計な事いいふらすな」みたいな事いってるけど、シャノンちゃん何かしたの?
詳しく聞いてみると、パーティーから追放された後、ドジ踏んで何かに押しつぶされてた悪役令嬢を助けてたみたいだ。
主人公ちゃんはその時、考え事してたみたいだから良く覚えてないようだけど。
何それ。落ち込んでても人助けとか、聖人かよ。
俺だったら、そんな余裕のない時に、人助けなんてできねぇわ。
ともかくさんざん、あれこれ言った後、悪役令嬢は退場。
すまん、攻略対象。
お前の出番奪っちまったわ。
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