恋人との何気ないやり取りが読み切り形式で綴られています。
丁寧で美しい描写は、読んでいて澄んだ気持ちになります。
ちょっとした出来事だけど、季節や雨、ドーナツやエクレアなどのスイーツ(恋人はスイーツが好き)などによって、何かの記憶がふと蘇ったり、気持ちの小さなささくれを感じたり。作者様の繊細な感性が伝わってきます。
すごく個人的で偏った感想ですが、何か、大人っぽい女性誌の最後の方に載っている連載小説みたいな感じ。日々感じたちょっとした心の動きや過去の記憶、相手との関係性の揺れなどを、瑞々しく描き出しています。