仕事の誇り


Q:仕事や労働の場面で何よりも強調すべき点をラノベと文学に分けて述べよ。



















A:ラノベ「自分の仕事がいかに骨が折れて、大変なことなのかが分かったか」


文学「仕事のうち、中学生に出来る程度のことは大人が誇るに値しないよ」



 職場の体験学習を生徒側の失敗に終わらせぬためにはどうすればよいか。

 一般的に、担当者の大人たちは金を稼ぐための仕事がいかに大変なのかを、学生の仕事と対比して、意味深く神々しげに強調するものだ。それを真に受けてしまい、働くことに二の足を踏んで気後れすると、労働拒否に陥ってしまいやすい。これでは、大人は仕事自慢に成功しても、圧倒された生徒にとっては大失敗だ。


 視点を変えて、大人の仕事の多くが実のところ中学でやる作業の延長線上にしかないことを教えてみるのはどうだろう。これなら学校の教育内容(授業だけでない)と金を稼ぐ労働との間に断裂でなく連続性が生まれ、生徒たちも心理的に取り組みやすくなる。(例 清掃活動は学校の掃除の時間の延長でしかない。担当場所が広くて、最初から塵取りをもって掃除して、雑巾掛けはしない。そんな程度の難度)


 少し安心したところで、大人レベルの難易度の仕事を少しやらせて失敗させれば、習熟の大切さを知らせることが出来る。連続性を重視しても、これなら大人の仕事の尊厳を守ることができる。

 このバランスの方が、仕事の実像を知らせ、学生から社会人へと移行させる上で有効なのだろう。さて、家庭内で中学生段階から仕事をお手伝いしている小商店の小中学生は、していない者より学校で模範的に振る舞っているのか?


 ところで、ライトノベルやキャラクター小説の仕事場面は原則、学校の学習と金のためのバイト労働を別世界の原理のように描くばかりだ。生徒の味方を気取るなら、断裂よりも連続性を強調すべきなのだろうが、バイトする明るいキャラが仕事への不満を垂らしながらも、バイトしない暗いキャラに仕事自慢をして、突き放す場面でできている。

 苦労に見せかけた自慢をするのなら、学校の作業との連続性を教えてやれ。


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