のびのび働く

Q:労働者がのびのび働いているといえる状態をライトノベルと文学に分けて表現してください。

















A:ライトノベルだと、明るく大きな挨拶や厳しくも優しきお叱りの言葉が常に絶えない環境。

 文学だと、そのような大声が飛ばずに集中できる環境。



 「大きな声でハキハキ挨拶」や丁重なる礼儀は客の目からは気持ちよくみえても、そんな状態を維持するのに要する労力は多く、精神を常に消耗させられる窮屈な職場環境である。サービス業はその典型だが、建築現場でも工場の作業現場でも内面統制が強くかかっている窮屈な環境で、のびのびしているとはいいがたい。罵声でも感謝の声でも、人間の声が職場中に響いてはちっとも落ち着かない。


 しかし、暗いキャラから明るいキャラへの道しか認めぬライトノベルでは、そうした方向へ職場や社員を人格改造するのを賛美する。お仕事の具体的なやり方よりも遥かに大切なのは、明るく挨拶し、上司からの厳しい言葉に我慢することだ。それを受け入れない奴は、無職枠に入れて排除しても差別しても構わない人外となる。


 労働文学を描くなら、挨拶とは楽しみでなく負担であることを剥き出しにしたいところだ。鮮明にすべきなのは、高い品質のモノは必要でも、堅苦しい礼儀作法が無くともどうとでもなることだ。王侯貴族の礼儀作法の窮屈さを時代錯誤と笑うなら、どうして職人や商人の無用に窮屈な挨拶作法を笑わないのか。


 真に自由闊達なのなら、明るく大きな挨拶も礼儀もまったくもって無用である。大声を出すエネルギーがあったら、そのエネルギーを良い製品、作品を創造する方向へ振り分けよ。真に自由な職場環境とは、挨拶からの自由である。


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