修行


Q:ラノベ等の修行場面は、現実の宗教施設で行われるそれとどこが最も異なるのか?

















A:世俗まみれの明るい自分を否定しなくてよい。暗かった自分こそ滅却されねばならない。


 現実の修行では、世俗の欲望に染まってきた自分を心から見つめ直すことが求められる。そこから生まれる人格は、決して消滅しえない心の中の暗き自分と向き合って、心の均衡を取り戻すことが望まれる。仏教だと、イケメンの徴たる長髪を切るところから始まる。


 ラノベの修行場面は、明るい自分を更に肯定すべく、まだ残存している暗き自分に気に食わぬ価値観をなすりつけて滅却するためにある。世俗の欲望に染まるのは寧ろ正しく、髪を切るなどとんでもない。自分は既にある程度の修行段階に達しているのだから。


 たとえ現実より厳しい修行内容でも、異性がすぐ傍にいて、欲情をすすってくるなら、辛くもなんともない。


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