作品編
芥川賞作品
Q:ライトノベルで普通に登場するモチーフだけで構成されている芥川賞作品を、ライトノベルの新人賞に送ったらどうなりますか?
A:予選落ちだろう。批評の文法が違う。
芥川賞が属する純文学系の雑誌には、難しそうに見えて実のところライトノベルでも見受けられるモチーフだけで作られたものが少なくない。しかしながら、純文学では通用しても、ライトノベルの世界ではどれも通用するまい。
以下のような芥川賞受賞作をライトノベルの新人賞に送ったら、「アクションが足りない」のほか、こんな理由で落選するだろう。
『コンビニ人間』・・・接客場面が最後までちっとも楽しくないどころか、接客そのものを否定する気なのか。
『首里の馬』・・・・琉球文化を詳細に記述している暇があったら、話の本筋には余計でも親しみの持てる雑談を。
『推し、燃ゆ』・・・まず、主人公と炎上アイドルが現実にはありえない偶然で出会う場面から始めなさい。
『彼岸花の咲く島』・・台湾やノロに普通の日本人は興味ありません。男にもっと都合のよい展開にしなさい。独自言語をつくるのに、台湾語や琉球語といった実在の言語知識は必要ありません。日本人は本気の異界を好みません。
明るく前向きな原理が最後に勝つのが確定しているライトノベルでは、芥川賞の混沌をすくいとれず、貴重な名作に価値を与えられない。
モチーフがライトノベルで扱うものばかりでも、批評の文法が異なると見方も変わる。
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