世界の転覆
Q:ラノベの中には、最初に提示された世界観や冒険の目的が、実は悪役に都合のよい陰謀に乗せられていただけだったという展開によくなります。これは、子供だましを超えるプロットでありませんか?
A:しかし、陰謀に手を貸してしまった主役たちは、心から反省しなくてよい。
善かれと思ってやった魔物の討伐が、実は世界滅亡を推進していた。世界を救うためと教えられていたアイテムは、実は世界を滅亡させる秘具だった。
陰謀を見抜けなかった主人公たちは愚かだった。
転覆に加担した主人公たちは、当然ながら加害者なのだから、通常なら名誉挽回を許されない事態の責任者である。死罪級の犯罪者である。真相を知った民衆はリンチしにくるだろう。
ラノベやゲームで大切なのは、そうした罪の大きさに正面から向き合わせないことである。
大事なことは自分たちが何かをやろうとしたことだ。
アイテムを守護していた者の警告なんか思い出すな。
自分たちはやろうとしていたのだから、世界が滅んでも責任を感じなくてよい。
バイトの道徳を模した感謝の心で、罪深さを考えさせないようにしよう。
こんな反省と展開しかできないなら、世界が転覆しても子供騙しだ。
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