悪役令嬢


Q:悪役令嬢系統の作品は、どういうところが最もライトノベル的と呼べるか?



















A:善行が、絶対に裏目に出ないところ。



 高慢なるお嬢様が、ふとしたことで将来の破滅を知り、それを避けるために突如として善人になる展開を、「悪役令嬢もの」と呼ぶ。主人公は善行を繰り返して、破滅を回避し、栄光の将来を勝ち取る話だ。


 相手は急に善人となった善行の本心を疑う。その通り、その善行は相手のことを思ってでなく、自分が救われることを目的にしていると確信犯で書いてあるのだから、善意がそのように解釈されるのは尤もなことだ。

 ギャグ漫画なら、そんな精神からなされる善行が裏目に出る展開に持っていくだろう。だが、悪役令嬢ものでは、善行が変に解釈されて更に事態が悪化する展開は、まずもって許容されない。バイト道徳に適う善行が裏切られてはならないのだ。


 この時点で既に、悪役令嬢でなく良い子の令嬢の物語になっている。そこに人間関係の屈折はみられない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る