個性
Q:人の個性を認めたくないとカッコよく告げるために、ライトノベルをはじめ各種娯楽作品でよく使われる言葉とは何か?
A:君は何にだってなれる。
生まれた時は平等なはずの人間は、これまで歩んできた経験や外部からの影響に大きく左右されて、性格の違う人間に育っていく。そこから、個性という概念が実態をもって生まれてくる。
「君は何にだってなれる」に具体的な命題をつける。
「相撲の高校横綱になったのなら、クイズ研究会の全国大会でも一位になれる」
この言葉にリアリティーは感じられないだろう。両者の間には、育った環境から何からが、根本的に異なりすぎていて話が合わないに決まっている。横綱とクイズ王の地位を1週間でも交換してみたら、お互いに極めてマイナスの影響しか残るまい。
ラノベ級では疑問視されない「君は何にだってなれる」のテーゼは、この現実にかなわない。むしろ、相手のこれまでの人生を無視する冷淡さが透けて見える。ラノベの場合、このテーゼは「暗い価値観を捨てて、明るくなれ」だ。
明るい顔をしてカッコよく、そんな助言をするなかれ。
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