ボランティア


Q:米国で盛んな、内申点を上げるためにやるボランティア活動の価値をアルバイトと比較するとどうなるか。















A:ラノベ「愚かな。銭にならないボランティアのただ働きなんかより、収入を得られるバイトの方がずっと得策だぞ」

 文学「金を直接の動機にしないからこそ、ボランティアはバイトよりも尊い」


 高校時代にボランティアしかしなかった名門大学生は、当然ながらお金を稼ぐという点で奨学生に劣等する。奨学生は事あるごとに彼らを金にならないと馬鹿にする。名門大学生は稼ぐ文化で弱者の地位にある。なら、彼らもバイトした方がよいのだろうか?


 否、金持ちな大学生や高校生はバイトよりもボランティアに励むべきだ。バイト系に学内で蔑視されることを通して、学内で社会的弱者の地位に自らを置くことができる。これがバイトだと、学内でも強者になってしまい、学外の弱者に思いを寄せるどころかどんどん冷淡になっていく。バイトで稼いでいるのを鼻にかけ、バイト先で身に着けた自己責任論で人を説教するようになっていく。

 弱者の立ち位置に自らを置き、優しくなれるのはどちらか。


 キリスト教でも仏教でもイスラムでも、ボランティアの道徳をバイトで稼ぐ道徳よりも上に置く文化がある。何故か?

 それは、バイトで稼ぐ金が人を高慢にするためだろう。バイト中はとことん優しい顔を浮かべていても、学内ではとことん冷たい人間は、とことん冷たい人間である。


 利殖を肯定するプロテスタントでさえ、バイトよりボランティアを尊ぶアメリカ。

 アメリカがどれだけ思想的、文化的に分断されようとも、ボランティア精神がある限り内乱にはならない。


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